若きころからしのぎを削った2人の会話は、なんとも味わい深い。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2025」予選Bリーグ・第1試合、チーム藤井 対 チーム天彦が6月21日に放送された。チーム天彦の佐藤天彦九段(37)と広瀬章人九段(38)の2人は、ともに1998年に奨励会入りした同期。10代から腕を磨きあった“同志”ならではの会話に、ファンからは喜びの声が寄せられた。
佐藤九段は名人3期、広瀬九段は竜王と王位をそれぞれ1期というタイトル経験者。藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋聖、棋王、王将、22)と伊藤匠叡王(22)の2人で8つのタイトルを占め、かつ他の若手棋士も続々と台頭する中、佐藤九段や広瀬九段といった“中堅”に入った棋士は、戦い方だけではなく将棋観などにも進化、変化が求められている。
第7局、チーム藤井・古賀悠聖六段(24)とチーム天彦・増田康宏八段(27)という20代同士が相居飛車の白熱した戦いを続ける中、控室で見守っていた佐藤九段がふとつぶやいた。「いやー、居飛車が魅力的に見えてきちゃうなあ」。佐藤九段は、居飛車党として名人にもなったが近年は振り飛車党に変更。新たな自身の将棋を開拓しているが、やはり勢いのある若手がのびのびと居飛車を指す様子がまぶしく映るようだ。
仲良し同世代トークが展開
