そして、当時の中国政府は、数人の候補者を立て、くじ引きで別の11世を選出した。それが今もチベット自治区にいるパンチェン・ラマ11世だ。こうした経緯から「全く同じように、『ダライ・ラマ15世』と称する存在を、中国なりに擁立する可能性が高い。残念ながらこのような現実があることは、知っておいてほしい」と、平野教授は警鐘を鳴らす。

 中国外務省は、ダライ・ラマ14世の「輪廻転生」存続の声明に反発し、「ダライ・ラマの転生(後継者)は国内で選定し、中国政府の承認を得なければならない」としている。しかし14世は「将来のダライ・ラマの化身認定方法については、これまでの伝統に従って、化身者の創作・認定を実行する必要がある」として、冒頭の「私ダライ・ラマは次世代の継続、輪廻転生を確約する」と宣言した。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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