■絶縁状態の息子たちへの思い
10年近く絶縁状態の息子2人
五仁會の母親のような存在でもある西村だが、元暴力団組長の夫との間にできた2人の息子がいる。しかし、28歳と21歳になる息子とは10年近くも絶縁状態にある。
「昔子どもが寝ていたベッド。思い出があるので手放したくないんですよ。これ(母の日のカード)は保育園のころですね。母の日のプレゼントということで作ってくれました。『お母さん、お母さん』って、あとをついて離れない時の姿とか思い出す」(西村)
次男の出産後、正式に暴力団を辞め、介護ヘルパーや医療事務の資格もとったが、イレズミが原因でことごとく不採用に。自業自得の末、生活のために手を染めたのが薬物の販売だった。
「子どもが寝静まったのを見計らって、その当時は(テーブルが)横にあったんが、ここでシャブが100グラムあるのを、10グラムずつ分けて販売していました。ある日突然(長男が)起きてきて、黙って歩いて来て、見たんですよ。『あ、バレた』って思いました。(いま振り返ると)申し訳ない、悪かったですね。もっといい方法があったんじゃないかと」(西村)
さらに、激しい夫婦喧嘩が絶えず、離婚に至るのだが、子どもは、母親への嫌悪感が強くなっていた。長男は高校を中退後、格闘家を目指して上京し、小学生だった次男は父親が引き取った。
「やっぱりこういう体(イレズミ)じゃないですか、それが嫌そうなことを言われた。売り言葉に買い言葉で、子どもは関係ないですけど、『向こう行け、向こう(夫)についていけばいいじゃないか』って感じのことを言ったような……」(西村)
更生支援に目覚め、子どもへの愛情がよみがえる
