そして迎えた、清掃ボランティアの日。ユウジは時間になっても現れない住人を迎えに行く。この清掃ボランティアは、住人同士の「安否確認」の場にもなっているのだ。街の清掃が終わると、誰言うとなく、そろって1階の共有スペースへと集まり、西村を取り囲んでとりとめのない話に花を咲かせる。

「(犯罪)やってない子は、仲間意識を持って楽しんで掃除に来てくれる。居場所を与えるために生活環境を整える。少しでも力になればと思って頑張ってやっている」

 更生支援に目覚めた彼女にとっても、ここは大切な居場所となっていたのだ。実は、岐阜支局は、再犯防止活動で総理大臣賞を受けた地元の大学教授が支援している。活動の意義をこう語る。

「住む場所と仕事は非常に重要だけど、それだけではなくて、安心していられる居場所(を提供している)。やはり女性のリーダーというのもこの団体の特色として意義がある」(朝日大学 法学部 大野正博教授)

悩みを抱えた元受刑者からの相談
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