全国大会、決勝当日。試合前、凌久さんは「目指すは優勝ということで、がんばります」と意気込んだ。そして、来ない予定だった智美さんが急遽応援に駆けつけた。
「試合見に来る予定じゃないですけど、決勝戦に進んでいるので。今日は静かに本人には告げずに来ました。体で体感してみたいなと思って。実際にボクシングのところ見たことがないので」(智美さん)
決勝戦、試合の序盤は凌久さんが優勢。母親の智美さんは、音に意識を集中した。第2ラウンドは、相手の手数が多く、苦しい戦いになった。第3ラウンドで、巻き返しを図る。そして、結果は、凌久さんのポイント勝ち。見事、全国大会で優勝を果たした。
「青、青?」(智美さん)
「青!勝った!」(智美さんの父)
「やったー!やったやった!」(智美さん)
「先生、ありがとうございました」(智美さん)
「すごいがんばりました。お母さんもすごい心配だったと思いますけど、日本一です」(冨田先生)
表彰式が終わると、凌久さん、智美さん、智美さんの両親と写真撮影をして喜びを分かち合った。
一足先に自宅に戻っていた智美さん。「りく 優勝おめでとう」とメッセージが添えられたお祝いのチョコレートケーキが用意されていた。
「優勝おめでとうって書いてある、すげえ。いただきまーす」(凌久さん)
「おめでとう」(智美さん)
「ありがとうございます」(凌久さん)
「疲れとるからちょうどいい。チョコレートがいいかなと思ってチョコレートにした」(智美さん)
「おいしい」(凌久さん)
