父のことをもっと知るために…
取材をスタートして1年半。国籍回復の支援を続ける猪俣氏の姿が、再びフィリピンにあった。
訪ねたのはダバオの総領事館。この問題を最優先事項として、積極的な面会を行う総領事とともに、国籍のない残留日本人のもとに向かう。
在ダバオ日本国総領事館 石川義久総領事(当時)「お父さんと話したことを何か覚えていますか?」
カンバ・ロサリナさん(94)「父は『君は知らないかもしれないけどいつか日本に行けるよ』と言いました。それで私は父に『ありがとう』と返しました」
ロサリナさんの洗礼の記録には、父親が日本人であることが記されているが、進展がないまま20年以上の月日が流れた。
━━日本にいる親戚に会いたいですか?
ロサリナさん「はい、神様が許してくれるなら会いたいです」
肉体は衰えゆこうとも、「神庭ロサリナ」の名で国籍を回復し、いつの日か日本へ。父のことをもっと知るために…

