■夢に向かって、一歩ずつ前へ
ランニング練習での紫乃さんと臼井さん
ある日紫乃さんは、臼井さんが主催する義足ユーザーを中心とした陸上クラブの練習会に誘われた。
練習が始まる前、足の状態を臼井さんに報告する紫乃さんの姿があった。麻痺していたはずの残った足が、手を使わずに上がった。
「浮いてるもんね、これは画期的だよ」臼井さんも驚いた表情を浮かべた。
そして、スポーツ用義足を装着し、初めてのランニング練習に挑んだ。歩くところから始めて、徐々にスピードアップ。懸命に手を振りながら走る紫乃さん。見事、ゴールまで辿りつくことができた。
「やっぱり楽しい、歩きたい、走りたい。それだけ。そのために毎日、一生懸命やってきたから」(紫乃さん)
「今日は夏の最高の思い出だね」(臼井さん)
「よかったです。ここまで来れて」(紫乃さん)
「そうだよね。歩けない、走れないかもしれない。それを一つずつちゃんと克服してるから」(臼井さん)
「自分の中では自信しかなくて。走れないとか、歩けないと言われても『私はできる』って、自分を信じてあげることが一番大切だと思っている。最後まで諦めたくない自分もいるし、絶対見返してやるっていう気持ちもあるし」(紫乃さん)
義足のファッションショーへの参加
