約1カ月後、紫乃さんたちの姿は石川県の小松空港にあった。空港の施設内で『義足のファッションショー』が開かれるためだ。

 華やかなパープルのワンピースを着て、満面の笑みを浮かべ、ランウェイを颯爽と歩く紫乃さん。その姿を紫乃さんのお母さんが見守っていた。

「お母さん、車いす乗らなかったら、世界が違う。今までの8年間の高さ(目線の高さ)がこうなるんだよって。足が自分の中の一部になっている。それがすごく嬉しくて」(紫乃さんの母)

「キレイだったよ」(紫乃さんの母)
「ありがとうございます」(紫乃さん)
「このいい顔が見られるのがすごく幸せ。ママは幸せです」(紫乃さんの母)

「お母さんも苦しかったと思うし、一緒にずっとこの障害になってからお母さんもいろいろな葛藤があったと思うし。見せられて良かった」(紫乃さん)

「私にとって、この8年間は苦しかったので、やっと解放された感が大きくて。今からがスタートかなと思っています」(紫乃さん)

臼井さんの義足が支える紫乃さんの夢
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