劇的な幕切れに、誰もが息をのんだ。将棋の第73期王座戦五番勝負第2局が9月18日、神戸市の「ホテルオークラ神戸」で行われ、伊藤匠叡王(22)が藤井聡太王座(竜王、名人、王位、棋王、王将、棋聖、23)に逆転勝利を飾った。挑戦者が見せた鮮やかな逆転術には、解説陣も脱帽。勝因となった“銀引き”の一手を絶賛した。
藤井王座の先勝で迎えた第2局は、角換わりの出だしから激しい攻め合いに発展。後手の伊藤叡王が用意した作戦を上回るほどの深い研究を見せつけるように藤井王座が主導権を握る展開となった。
早いペースで瞬く間に終盤に突入したものの、終盤戦では一手一手が重い進行に。藤井王座が正確無比な指し回しでリードを押し広げており、ABEMAで解説を務めた木村一基九段(52)も「ここでは私は終局が早いと思っていて、お互いに持ち時間を余して勝負がついてしまうかと思っていた」とコメントしていた。
「銀を引いて“訳を分からなくした”」




