■自分で育てるか、特別養子縁組か
慈恵病院の相談員がつくったアルバム
新生児相談室では、相談員がアルバムづくりを進めていた。親が育てられない赤ちゃんのためのものだ。「皆に愛されて、皆に抱っこされて、かわいがられて、そういう思いが少しでも 形に残ればいいなと思う」(相談員)
将来、自分が誰から生まれたのか、思い悩む日が来るかもしれない。ただ、生い立ちに関する情報をいつ、どのような形で伝えるのかについて、国内に指針はないのが現状だ。
「引き取る前のお子さんの状態を里親さんや施設の方も知りたがるので、少しでもお伝えできるところがあればと思う」(相談員)
「赤ちゃんだけで言ったら、親御さんが自分で育てる赤ちゃんと、育てられない赤ちゃんというのは区別がつかない。見た目は一緒に見えるけど、この先のことは心配ですよね」(蓮田院長)
赤ちゃんたちは特別養子縁組に向けて手続きが進められる。ただ、その受け皿が見つかるまで数カ月間かかることもある。「赤ちゃんが無事に保護された後の受け皿が非常に整っていないので、命が助かればいいという話じゃない。出自情報があれば良いという話でもない」(蓮田院長)
自分で育てる決意をした女性
