中室氏「鍵は労働者自身に」

中室牧子氏
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 上野厚生労働大臣が明かした指示書の内容には「心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和の検討」などがある。労働時間や緩和というワード、そしてワーク・ライフ・バランスとの関連について中室氏は「鍵は労働者自身にある」と語る。

「もともとの目的は人手不足の解消。そのことを労働時間の規制改革だけでやれるかというと、私はそうは思っていない。例えば年収の壁の撤廃や、パートタイム労働者の労働力を増やせることも当然ある」

「私は長らく規制改革会議の委員をやっている。規制改革の中でずっと議論しているのは、労働者の働き方の柔軟性を高めるという話。どういうことかというと、有給休暇は1日単位や半日単位でしか取れないが、時間単位有給といって、1時間や2時間、短い単位で有給が取れる幅を広げていこうという議論をしている。働き方の柔軟性を高めると、労働者の定着につながると思う。人手不足の問題の背景にある1つには、すぐ人が辞めちゃうという問題がある。代わりは入ってきてくれるかもしれないが、出たり入ったりしていると人手不足感が高くなる。だから、定着してもらうことがすごく大事。そのためには、労働者にとって利便性の高い働き方になるような規制改革は、私は労働時間そのものの規制緩和よりも意味があることだと思うので、そういうことも合わせて議論していかなきゃいけない。労働時間も働き方も労働者自身が決めて、労働者自身が管理していく方向に変わっていくことが私は望ましいと思う」

(『ABEMAヒルズ』より)

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