ABEMAの中継には、1999年度の竜王戦挑戦者だった鈴木九段が出演。1日目の進行については振り飛車充分、佐々木八段のペースと評価していた。ねじり合いの長い中盤戦が予想されていたが、佐々木八段は攻め合いを決断。「6筋から攻め合いで勝負をかけたが、封じ手の局面から成桂までは読めず、その手でしびれてしまった」と苦い表情で大長考に沈むこととなった。
「手段が多く、自信が持てる展開ではないと思っていた。なんとか穴熊の遠さを生かす展開にできればと考えていた」と語った藤井竜王だったが、鈴木九段も藤井竜王の成桂に感服。「ビックリしました。AIでは2番手に出ていて、候補が少ないから出ているのかと思っていましたが大マジなんですね…」。
さらに、「正直1秒も読まなかった。自分だったらひっくり返ると思う。こんな手を人間がやるわけないと。この桂馬って一生懸命跳ねて角を犠牲にしてまで成ったのに、それを捨てるという感覚…。こんな手、100回生まれ変わらないと指せない。別のゲームを見ているみたい。タダで捨てるという感覚は…これはすごいな」と驚きの声を漏らすしかない様子だった。
「人間が到達できる読みなのかわからない。それが見ることができただけで幸せでした」




