では、なぜ中国は、一歩間違えば武力衝突となりかねない危険な行為を行ったのか。
軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は、今回の行為を“政治的パフォーマンス”ではなく、実戦を想定した行動だと指摘する。「高市総理の発言で緊張が高まっているが、それで急に決めたということではない。おそらく台湾有事が将来あると仮定すれば、その時に自衛隊と米軍と海域でのにらみ合いになる。どういった行動をすれば自衛隊や米軍がどう出てくるか。自衛隊に対して嫌がらせをするというような政治的な動機よりは、むしろ軍事的なシミュレーションをかねて、いろいろなことを試してみるということだ」。
国際法上の扱いについては、「国際法上では武力行使にあたらない。現場では当然、危険行為・挑発的な行為と受け止められる。ただ国際法や条約等で禁じられているということにはならない」との見解を示す。
中国はどうして、ここまでしてくるのか。「海域(場所)と装備。空母が入ってきて、艦載機を飛ばす。かなり実践を想定したシミュレーション・訓練をやっている。台湾海峡で緊張が高まっている時期に、こんなことがあったら交戦になりかねない」。
「トランプ大統領は習近平国家主席と良好な関係を保ちたいと考えている」
