■住民が相談しても解決せず…「どこに言っても助けてくれない」自治体の限界

千葉・某市、民泊施設の周辺住民
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 騒音などの苦情が相次いだ千葉県一宮町では、2023年に迷惑防止条例を制定した。しかし、地元住民は「全然機能していないですね。警察が来ても注意だけして帰っちゃうので。帰ったあとはまたすぐ騒いで。その繰り返し」と嘆く。

 条例では命令に従わなかった場合、氏名などを公表するとしているが、町によるとこれまでに一度もそうした事例はないそうだ。一宮町役場によると、その理由は「利用者はその場限り(毎回変わるので)。指導までいかない」ためだという。

 では、利用者を管理する事業者の責任を問うことはできないのか。「事業者は(民泊予約の)サイトなどで利用者に注意喚起しており、町として指導する案件はない」(一宮町役場)

 町は住民からの苦情を事業者にも伝えているとしているが、中にはそもそも連絡がつかないケースもあったという。どこに相談しても同じことが繰り返される日々に、住民は不満を募らせている。

「町の無秩序な観光客誘致。その結果、我々住民が犠牲の上で成り立つ観光施設ができてしまった」(地元住民)

 一宮町は、管理者の常駐を努力義務とする改正案を提出し、9日に可決された。

「私たちが管理人なの?」周辺住民が嘆き
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