疲労感がにじむ絶対王者の表情は、壮絶な戦いを十分に物語るものとなった。1月18日に名古屋市の「ポートメッセなごや」で行われた第19回朝日杯将棋オープン戦本戦トーナメント1回戦。藤井聡太竜王・名人(王位、棋聖、棋王、王将、23)は菅井竜也八段(33)に逆転勝利を飾ったものの、終局後には「絶体絶命だった」と本心を吐露した。
藤井竜王・名人の地元・愛知県で開催された朝日杯本戦1回戦。ファンを前にした公開対局とあり、藤井竜王・名人が主戦場とするタイトル戦とは違った雰囲気の中で対局が行われた。今期の朝日杯初戦となった1回戦で激突したのは、2023年度の第8期叡王戦五番勝負、第73期王将戦七番勝負の大舞台でも激突した菅井八段。振り飛車党の第一人者との対戦に臨んだ。
振り駒で先手番となった菅井八段は、中飛車を採用。藤井竜王・名人は居飛車で対抗したが、穴熊に組んだ菅井八段は自身の得意形に持ち込むことに成功し、振り飛車ペースへと持ち込んで見せた。ABEMAの「SHOGI AI」も一時は菅井八段の勝率99%を表示。藤井竜王・名人も明らかにガックリと肩を落とす姿も見られたものの、ここから視聴者は“奇跡”を目にすることとなった。
「一度しのいでからの一連の手順は輝くもの」




