■帰らぬ遺骨と永遠の謎

生前の福迫受刑者
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 福迫受刑者がもっとも気にかけていたのは日本で一人、息子の帰りを待つ母親のことだった。

「母親に何一つしてやれず とても辛く思います 母に元気で再会するまで 自由になるまで死ねません」(福迫受刑者からの手紙)

 しかし、その願いは叶えられなかった。

「今はお骨がね、ちゃんと戻っていない……。毎日、主人の仏壇があるので、そこで祈っているの。それだけが今は心配」(母親)

 事件から3カ月が過ぎても福迫受刑者の遺体は家族の元へ戻されていなかった。ハワイで日本人の葬儀を多く手掛ける葬儀社で話を聞いた。

「予期せぬ亡くなり方をした場合というのは、(死因を)調べることが必要となりますので、メディカルエグザミナー(監察局)のオフィスに送られます。期間があまりにも経っていますからね」(細井葬儀所 クロヤナギ・F・シノブ氏)

 死亡してから3カ月も遺体が返されないケースは極めてまれだという。いま、福迫受刑者の遺体がどこにあるのか調べてもらった。

「10月14日でちょうどいま3カ月ぐらいですよね。まだ霊安室というか、遺体安置所に置かれている状態です」

 福迫受刑者の遺体は検死などを行う、ハワイ州の監察局の施設に安置されていた。「州当局に彼の遺骨と所有物の返却を求めていますが、返事がありません。当局は事件の捜査が終わるまで渡さないでしょう」ブレイナー弁護士は一日でも早く遺体を日本に返えすようハワイ州に対し訴えかけていくと言う。

「彼を殺害した人物の名前すら教えてもらえません。訴訟手続きを進めて、福迫殺害の真相と責任の所在を明らかにします」

 謎に満ちた、占い師・藤田小女姫親子殺人事件。福迫受刑者との文通から始まった17年間にわたる取材も彼の死で、幕を閉じることになった。

テレビ朝日制作 テレメンタリー『刑務所で殺害された“犯人” 有名占い師 藤田小女姫親子殺人事件31年目の結末』より)

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