町民によると、およそ70年前に台風で木津川が氾濫し、温泉を供給していたパイプが破壊されてしまったことがひとつの要因だという。現在温泉はゼロで、店は閉まり観光客は消え、かつて旅館だった建物が取り残されている。

 笠置町が温泉街として栄えていたのは昭和初期。当時は木津川沿いに多くの温泉旅館が立ち並び賑わっていたが、平成に入り徐々に衰退。2019年には経営難などにより「いこいの館」が閉館し、町から温泉がゼロになったという。

 「笠置館」は2010年ごろまで料理旅館として営業しており、収容人数は100名。現在は窓ガラスが割れ、屋根も崩落が始まるなど劣化が進む廃旅館となっていた。

 「笠置観光ホテル」は建物自体はあるものの、遠くから見ても建物のペンキがはげ、看板が剥がれ落ち、朽ちている様子がわかる。近年この廃ホテルに肝試しに入る若者が増え問題となり、さらには立ち入った若者に対して「建物の所有者」と偽り、金銭を要求するトラブルも発生。警察が捜査に乗り出す事態となった。しかし笠置町役場は「廃ホテルには所有者がいるため管理に介入できず、撤去の話合いも進んでいない状態」と明かす。

廃墟の旧温泉地から抜け出そうとする新たな動き
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