食べ放題なのに利益がでる最大の理由は、いちご農家が抱える問題が解消できているからだという。客自身が摘み取って食べるいちご狩りのスタイルこそが、いちご農家が抱える経費を削減させ、利益を生んでいるそう。想一副社長は「いちご狩りの観光農園の場合だと(いちごを)お客がとるので、作業が省力化できるところが最大のポイント」と語った。
農園にとって負担の大きい箱詰め作業などの手間が解消できるのが最大のポイントで、農業経営に詳しい公認会計士の佐藤宏章氏は「一般販売と観光農園でコスト的に2割から3割は違ってくる」と解説。
佐藤氏の試算によると、一般的に市場に販売する農家の場合、パック詰め、輸送費、仲卸などの経費で、売上のおよそ半分が消えてしまう。いちごの市場価格を1パック500円と仮定すると、農家の取り分はおよそ250円。一方いちご狩りの観光農園では客が収穫してその場で食べるため、パック詰めや輸送などの経費はほぼかからず、その分を利益に回すことができる。
佐藤氏は「一般販売だと全部ルールが決まっていて、それに合わせてやらないと駄目。販売手数料がかかるし、その分手取りの儲けが減る。観光農園の場合は自分で価格設定ができる。ここがやっぱり一番のメリット。喜んでくれたらそこで贈答用として買っていく。ビジネスモデルとしては本当に無駄がない」と評価した。
例えば吉村農園の場合、生産にかかる経費は月およそ137万円で入園料が2500円のため、単純計算で1日に18人の来園で元が取れる計算だ。
吉村農園の見えない努力
