■正しく投資と向き合うには?
佐々木氏は「政府は投資に全振りしているわけではなく、賃金上昇も掲げていて、“官製春闘”と言われるほどだ。コロナ禍が明けてから、春闘で毎年4〜5%の賃上げが行われ、初任給も下手すれば30〜40万円にまで上がった。資産形成と賃金上昇を両輪で回しているのが、現状の政府だということは押さえておくべきだ」と説明する。
AICX協会代表理事の小澤健祐氏は「『金融教育』と言われているのが良くない。『人生教育』を考える中で、こういった仕事をして、NISAでどの程度投資するか……と設計できる人がいないのが、本質なのではないか」と話す。
田内氏は「片山大臣も金融経済教育を拡充しようと言っているが、教師に負担を押しつけているだけだ。教育現場は人手不足で、探究学習やキャリア教育をできる状況にない。“子どもへの投資”のためには、公教育への投資が必要だ。教師が集まるように給料を上げるところから始めないといけない」と、政府方針に批判的に捉えている。
また具体的なエピソードとして、「熊本の教育委員会で講演した際に、『半導体工場ができて賃金は上がったが、教師は公的な給与設定のため上がりにくく、待遇が良くないからと人材が流出する』と聞いた。公務員から給与を上げないと始まらない」と語る。
佐々木氏は「世代の問題もあるのではないか。今の30〜40代は投資経験のない人が圧倒的に多い」と推測する。「ネット証券が出てくる以前は、なかなか株を買えなかった。土地を買うにも、まとまった額が必要で、若者の資産形成は馬券を買うしかなかった。それが今では、少額で株を買え、土地も分割で投資できるようになった。“投資の民主化”が進む中で、金融や投資といったミクロな知識と同時に、マクロな『国や社会のあり方』も考えられることが大事だ」。
(『ABEMA Prime』より)

