石油関連企業を襲う深刻な「ナフサショック」原油の総量はあるはずなのに、なぜ行き渡らない?識者が紐解く“目詰まり”の理由

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■ナフサ“目詰まり”の正体は

ナフサとは何か
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 ナフサはどのように作られるのか。原油が製油所に届き、そこから精製して、ナフサが取り出される。そして石油化学工場で基礎化学品になり、さまざまな製品へと加工される。

 シンナーのサプライチェーンとしては、石油化学メーカー(ナフサ由来原料を供給。トルエン、キシレンなど)から商社(原料の調達・販売を仲介)を経て、シンナーメーカーで原料からシンナーが製造される。そして、シンナーとして卸・小売(塗料店などが配分)を通り、現場(自動車整備塗装事業者、製品メーカー)へ届く。しかし「4月は前年並み、5月は未定」との情報伝達で目詰まりしている(経産省資料からまとめ)。

 衆議院・経済産業委員会理事の土田慎衆院議員(自民党)は、「建築関係はペンキがないと仕事にならない。医療と同様に、命に関わる問題だ」としつつ、「総量が足りているかと、目詰まりの問題は、切り分けて議論すべきだ」と語る。

 その背景として「地域で異なるが、ナフサは精油から製品になるまで、約10段階の事業者が絡む。そのうち3社が3割出荷を絞ると、最終的に0.7の3乗で、3割程度の流通量になる。目詰まり解消に向けて、政府は危機感を持っている。本来は資源エネルギー庁が担当だが、国交省などの力も借りて、人海戦術で川上から川下まで『しっかり確保するから、出してくれ』と電話をかけている」と説明する。

 そして、「もし足りている状態で『節約して使って』と呼びかけると、さらに各社が出さなくなる。『しっかり確保している』と積極的に言わないといけない」といった事情も明かした。

 コラムニストの河崎環氏は、「近年の“米騒動”と同じ道のりをたどっている。あの時は農水省にもわからない『謎の目詰まり』も起きていたが、今回は早く動いているのだろう。ただコメに精米後2カ月の賞味期限があるように、ナフサも製造から20日程度しか持たない。もし備蓄している事業者がいれば、商品価値が落ちるのではないか」といった疑問を持つ。

 これに土田氏は「ナフサにも賞味期限はある」とする一方で、「決定的な違いは、コメが少なくなっても、他のものを食べられるが、ナフサから作るエチレンやキシレンは、ないと塗料を作れない。また、産地によっても成分が違う」という代替品の少なさに触れながら返答した。

■原油の調達、今後の見通しは
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