将棋の第84期名人戦七番勝負第2局は4月26日、青森県青森市の「ホテル青森」で2日目の対局が開始された。防衛と4連覇を目指す藤井聡太名人(竜王、王位、棋王、王将、棋聖、23)に、糸谷哲郎九段(37)が挑戦する大注目のシリーズ。その2日目開始の朝、盤外で思わぬ“珍事”が発生し、ファンの視線を釘付けにした。
注目を集めたのは、対局再開の儀式とも言える「封じ手」の開封シーンだ。封じ手とは、2日制のタイトル戦などで1日目の対局終了時刻を迎えた際、手番の対局者が次の指し手を専用の用紙に書き記し、封をして立会人に預けるルールのこと。一晩の休憩を挟むことで生じる不公平(手番の側だけが盤面を見ずに考え続けられること)をなくすためのもので、翌朝に立会人が開封し、その手が盤上に再現されて対局が再開となる。
定刻の午前9時を前に、立会人を務める行方尚史九段(52)が、藤井名人が前日に封じた37手目の入った封筒を手に取った。通常、封筒にハサミを入れる際、立会人はごみが出ないように(または封筒の形を保つために)端を少しだけ残して切る「残す派」と、端までスパッと「切り落とす派」のどちらかに分かれることが多い。もちろん開封の方法に明確なルールはないのだが、ここで行方九段は、ハサミを少しだけ入れた後に「手でちぎる」という全く新しいスタイルを披露したのだ。
「え、手でちぎる方は珍しい(笑)」




