■今も“氷河期”が続く世代
就職氷河期世代(ロスジェネ世代)とは、主に1993年~2004年ごろに新卒で就活を行った世代(約1700万人)を指す。バブル崩壊のあおりで求人が激減。初期は第二次ベビーブーム(1学年約200万人)と重なり、大人数で少ない求人を奪い合う構図になった結果、非正規労働者が急増した。現在は、年齢がおおよそ40~56歳(学歴などで異なる)で、無職が約46万人。“不本意な”非正規が約33万人といった状況だ。
「こどおば」さん(40代前半)は、都内で実家暮らしする、いわゆる「子ども部屋おばさん」だ。営業職の正社員を1年で退職し、数年は引きこもり状態に。その後も正規雇用を目指すが一度も採用されず、短期の派遣労働を繰り返した。手取りは月20万円台(派遣先によって異なる)だが、現在の派遣先である事務職は今年5月末で終了予定だという。
住環境としては、実家(都内・分譲マンション)で、60代の母と2人暮らしで、18歳の飼い猫もいる。一度もひとり暮らしの経験はない。家には月6万円入れており、家事はほぼ母が担当している。
みずからの半生を「かなりの怠け者で、短大在学中に就活できず、通信制大学にも行ったが、有意義に過ごせず、仕事もうまく行かなかった。厚生労働省の『氷河期向け採用』も2度受験したが、勉強が足らず、採用には至らなかった」と振り返る。
就職活動を通して「空白が1度できると、それをうまく説明する能力や、覆せるような資格がないと難しい」との感触を抱いた。「いま部屋を借りて、1人で暮らせたとしても、10年、20年後に働けなくなったときの貯金が不安。簿記検定は3級を取ったが、能力が低く2級は合格に至っていない。ITパスポートも取得したが、上の資格は勉強中だ」。
氷河期世代ユニオン代表の小島鐵也氏(51)は、20代で専門学校を卒業後、ほとんどの期間を無職で過ごした。「資格があっても実務経験がないと難しい。そこをどうフォローするかが課題だ。空白期間に対する偏見が強すぎる。実家で家事をしていても、それは評価されずに、賃金労働をしている期間だけが評価されるのはアンバランスだ」。
人手不足の業種に行けばいいのではとの指摘には、「事務職は倍率が高いが、それしか経験がない人が多い。特に女性の場合は、事務職の応募が殺到してしまう」と返す。
■現状打開の発想転換
