将棋のヒューリック杯第97期棋聖戦挑戦者決定戦が5月1日、東京・千駄ヶ谷の「将棋会館」で行われ、羽生善治九段(55)は服部慎一郎七段(26)に敗れ、藤井聡太棋聖(竜王、名人、王位、棋王、王将、23)への挑戦権を逃した。前人未到となるタイトル獲得通算「100期」の大台をかけ、第72期王将戦以来3年ぶりとなるタイトル戦出場を目指したが、あと一歩届かなかった。勝利した服部七段は、自身初となるタイトル挑戦を決めた。
注目の大一番は、振り駒で後手番となった服部七段が「雁木」に誘導。序盤から早いペースで手が進み、事前の深い研究をうかがわせるスピーディーな展開となった。中盤以降は互いの意地がぶつかり合う力のこもったねじり合いへと突入し、羽生九段が持ち前の大局観で徐々にリードを奪って優勢に立ったかに思われた。しかし、終盤でドラマが待っていた。難解な局面から服部七段が猛烈な追い上げを見せ、土壇場で形勢を覆す。羽生九段も最後まで勝負強さを発揮して応戦したものの、最後は渾身の大逆転劇を演じた服部七段の鋭い寄せに屈し、無念の投了を告げた。
羽生九段は、2017年に99期目のタイトルとなる竜王位を獲得後、タイトル戦に5回登場しているが、大台到達とはなっていない。今回勝利すれば6度目の挑戦で再び絶対王者・藤井棋聖へ挑む舞台だったが、悲願の「タイトル100期」への道は次期以降へと持ち越しになった。
一方、日本中がレジェンドの勝利に期待を寄せるという特異な空気感の中、プレッシャーを見事に跳ね除けた服部七段。大一番、しかも劣勢からの大逆転で羽生九段の厚い壁を破った堂々たる指し回しは、新時代の扉を開く確かな実力を証明するものだった。
服部七段が絶対王者・藤井棋聖に挑む注目の五番勝負は、6月4日に千葉県木更津市の「龍宮城スパホテル三日月」で幕を開ける。
ヒューリック杯第97期棋聖戦五番勝負 日程・対局会場




