■想定以下の商談と「半導体が交渉カードにならない」現実
トランプ氏は「互いにとって素晴らしい貿易取引を結ぶことができた」とし、習近平氏は「両国はすでに新たな大国関係について合意し、建設的・戦略的な関係です。今回の訪問が道しるべとなることでしょう」と発言。
また会談後、トランプ氏は米・FOXニュースのインタビューで、中国がアメリカ産の大豆や液化天然ガス、さらにボーイング製の航空機を購入することで合意したと述べ、貿易面で多くの成果を勝ち取ったとアピールした。この成果について、三牧氏は次のように語る。
「確かに今回の米中首脳会談の結果、いくつかトランプ氏が狙っていた商談は成立したが、それは想定以下だったと言っていい。ボーイング機、200機というのも予測を下回っていて、この会談後にボーイング社の株価も下がり期待以下だった。さらに農産品は非常に重要で、トランプ氏の関税政策で農家が『(農産品が)売れない』と。農家の批判、悲鳴は高まっていた」(三牧氏、以下同)
「さらに、2月末に始めて終えることができていないイラン戦争によって、トランプ氏は『ホルムズ海峡が開かなくてもアメリカは困らない』『原油だって自分たちで生産できるんだ』と言っているが、生産できないものがあってそれが“肥料”。肥料の原料もホルムズ海峡由来のものはたくさんあるので、肥料価格が高騰してまたもや農家に打撃を与えてしまった」
さらに今回、トランプ氏が直接電話して同行を求めた半導体大手エヌビディアのジェンスン・ファンCEOの存在にも注目が集まっていた。中国側にとって関心の高い最先端半導体をめぐる交渉の切り札になるのかと思われたが、成果は目立たなかったという。
「中国がもうエヌビディアの最先端の技術が欲しがって、どんどんエヌビディア製のものを買ってくれるかと思いきや、中国の方はアメリカのエヌビディアに魅力を感じているというよりは、中国は『自前のものを育てていこう』という発想になっていて。今回の米中首脳会談がこの半導体で示してしまったのは、アメリカの最先端の半導体が中国に対する有効な交渉カードにならないのではないかということ。今回、ファン氏を連れて行った。そこまでしたのに、あまり目立った商談が成立する気配もない。半導体に関して今はアメリカが優位にあるけど、『実は絶対ではない』ということを内外にさらすような顛末になった」
中間選挙への危機感と中国の“したたかな”勝利
