ABEMAの中継で解説を務めた川村悠人四段(27)と香川愛生女流四段(33)は、藤井竜王の圧巻の守備力に驚きを隠せなかった。川村四段が「穴熊が最後までほぼほぼ手つかず。これだけやり合って、結局もう何もないというのが技術の高さ。どうやったら勝てるんだろうと思ってしまう」と語れば、香川女流四段も「(同じく解説を務めた)佐々木勇気八段と、『金銀100枚あっても詰まないのではないか』と話していた。どれだけ強い駒がたくさんあっても詰まない。数枚の駒で“絶対”の形を作れるのはすごく不思議なゲームだと思う」と称賛。
川村四段はさらに「玉が堅い分、攻め駒が少なくなるのが数少ないネガティブな点だが、攻めをつなぐ能力の高さでカバーしており全く問題がない」と、攻守の完璧なバランスを強調した。
対局後、藤井竜王は「こちらが穴熊に組んで固める展開になったが、端であったり急所を突かれてしまうとそれほど堅い形ではないので、穴熊の遠さを生かせるかどうかで、手の組み合わせが難しい将棋だった」と1日目を回想。中盤の構想や封じ手付近の形勢判断についても「攻勢を取ってはいるが、なかなか見通しが立たない展開」「少し忙しいところもあって自信の持てる展開ではないと感じていた」と明かし、盤上の過酷な読み合いを窺わせた。
2日目の戦いに関しても、藤井竜王は常に「穴熊の遠さを生かせるか」を考慮しながら盤面に向かい、金を進めて攻めの細さを補うなど、繊細な技術を注ぎ込んだ。終盤の猛攻に対しても「端からの攻めや桂馬を打たれる筋に対しての受けが難しく、うまく相手の急所を突くような攻めができなかったので、中盤から終盤にかけては自信の持てない局面もあった」と謙虚に振り返ったが、最後は持ち前の正確な読みで服部七段の追撃を振り切った。
「穴熊が遠く、『難しくあってほしい』と願っていた」




