久々に感じるこの緊迫感と興奮は、色褪せるどころかさらに増したかもしれない。将棋の超早指し団体戦「第3回AbemaTVトーナメント」のスピンオフ企画が1月1日に放送されたが、解説の中村太地七段(32)と聞き手の室谷由紀女流三段(27)が、残り数秒で繰り返される攻防と、二転三転する形勢、そこで繰り出される一手に何度となく大きな声を揃える場面が見られた。
持ち時間5分、1手指すごとに5秒が加算されるフィッシャールールを用いている同棋戦。個人戦だった第1回、第2回から盛り上がりを見せると、団体戦になった第3回では対局者本人だけでなく、それを見守るチームメイトのリアクションなども見られたことから、大きな話題になった。第3回は優勝候補の筆頭に挙げられていた永瀬拓矢王座(28)、藤井聡太王位・棋聖(18)、増田康宏六段(23)によるチーム永瀬(バナナ)が優勝。スピンオフ企画では準優勝した渡辺明名人(棋王、王将、36)、近藤誠也七段(24)、石井健太郎六段(28)のチーム渡辺(所司一門)と、ベスト4入りした佐藤康光九段(51)、森内俊之九段(50)、谷川浩司九段(58)によるチーム康光(レジェンド)が戦った。
中村七段、室谷女流三段が大興奮したのは、森内九段と石井六段による5局目。矢倉の出だしから白熱した戦いは、両者持ち時間がほとんどなくなり10秒未満の攻防が長く続いた。形勢も不明という激戦に室谷女流三段が「パニックになりますね。いやー!」と悲鳴をあげれば、中村七段も「いやー!」と追随。さらに声を「うおー!」と声を揃えた。
さらには石井六段に勝負の一手が発見されると「6四角!」「攻防!」と、何度もシンクロ。さらに中村七段は「ミラクルが起きちゃったか!え、どうなっているんですか。詰むんですか?詰まないんですか?」と混乱した様子だった。これにはさすがの渡辺名人もモニタを見ながら「これは頭抱えるね。私なら詰ませられません」と語っていた。
一連のやり取りと激戦に、視聴者も同じく大興奮。「ドッキドキやん」「あわわわわ」「激熱」と大はしゃぎになると、解説・実況のシンクロぶりには「盛り上がっているw」「ハモった」と、楽しむ様子を喜んでいた。
◆第3回AbemaTVトーナメント
第1回、第2回は個人戦として開催。羽生善治九段の着想から生まれた持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算されるフィッシャールールは、チェスなどで用いられるもの。団体戦となった第3回には3人1組、12チームがドラフト会議を経て結成され、予選リーグと8チームによる決勝トーナメントを戦った。優勝したチーム永瀬の藤井聡太王位・棋聖は、第1回、第2回でも優勝しており実質3連覇となった。
(ABEMA/将棋チャンネルより)