■子どもからの“SOS発信”に課題も
現実問題として、子どもが親にわからないようにSOSを発することはできるのか。社会との接点がないと逃げる選択ができないのではないかという指摘もある。
臨床心理士の武田信子氏は「子どもたちに情報がどのくらい伝わっているかがまずひとつ問題だと思う。自分が他の家庭の状況をわかっていないと、自分が何をされているかということもわからない。小さいころはそれが当たり前だと思っているのではないか。では、気がついた後にどうするか。児童相談所への連絡といった相談電話みたいなものがあるということを、学校などを通じて子どもたちがわかっていれば、そこにかけるということはできる。ただ、どこにかけたら本当に助けてもらえるかというのが子どもたちは全然わからず、シェルターも民間が引き受けていることが多い。そこをうまく見つけていけるように周りの人たちが子どもに伝えていく、あるいは支えていくということをしなければ、今の子どもたちは自分では何もできないという状況だと思う」と現状を危惧する。
実際に学校ではそういった情報を生徒たちに伝えているのだろうか。「(相談先を記載した)カードを渡したりしている所もあるようだが、ほとんどみられないと思う。カナダなんかでは、スーパーマーケットの野菜にそういうカードが付いていることがあるという話を聞いたことがある。電話をかけたところから類推して、その地域の相談所に連絡が繋がるようにしている。そういうシステムが日本で虐待対応として取られていくというのが、これから必要なのではないかと思う」とした。
(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
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