将棋の藤井聡太王位・棋聖(18)が、6月から始まるヒューリック杯棋聖戦の五番勝負(6日~)で渡辺明名人(棋王、王将、37)、お~いお茶杯王位戦の七番勝負(29日~)で豊島将之竜王(叡王、31)という“最強挑戦者”2人を迎え撃つことになった。昨期は棋聖、王位と立て続けに奪取し、最年少でのタイトル獲得で大いに日本中を賑わせたが、初めてタイトルを守る側になってのダブル防衛戦は、これ以上なく強大な敵を迎え撃つことになった。
【中継】お~いお茶杯王位戦 挑戦者決定戦 豊島将之竜王 対 羽生善治九段
1日からの棋聖戦五番勝負は、リベンジマッチになっている。昨期、最年少でのタイトル獲得になったこの番勝負。当時は渡辺名人が棋聖位を保持していた。結果、3勝1敗で藤井新棋聖が誕生。渡辺名人は、奪われたタイトルをすぐ翌年に取り返しに来た。この間、棋王、王将を防衛、さらに名人も防衛間近と“現役最強”の力を維持しているだけに、昨年以上に激しい勝負になりそうだ。
棋聖戦からやや遅れて開幕するのが王位戦七番勝負。この挑戦者になったのが豊島竜王だ。対藤井戦は、朝日杯将棋オープン戦で初黒星を喫するまで6連勝。通算6勝1敗と大きく勝ち越す“藤井キラー”だ。両者がタイトル戦でぶつかるのは今回が初。2日制の長い対局の中で、どんな攻防を繰り広げるか。
藤井王位・棋聖は、どちらのタイトルでも防衛すれば最年少での防衛記録を更新。また、タイトル3期を達成するため、九段昇段も果たすことになる。また竜王戦、叡王戦でも本戦に勝ち進んでいることから、この2タイトルを保持する豊島竜王との対決は三冠、四冠を目指す上で重要なシリーズになりそうだ。
(写真提供:日本将棋連盟)