ここで選ばれなければカタール行きも難しいか

20日、日本サッカー協会から6月のキリンチャレンジカップ、含む計4試合の親善試合を戦う日本代表メンバーが発表された。最終ラインでは伊藤洋輝が初招集、菅原由勢が2019年以来の復帰と新顔の多い招集となった。しかし、前線は鎌田大地や堂安律が復帰したくらいで、サプライズ招集というのはなかった。

このタイミングでサムライブルー入りを期待されていたのは、鹿島アントラーズのFW鈴木優磨だ。今シーズンのベルギーでは思ったように数字を伸ばせていなかったが、鹿島復帰後は絶好調でチームを勝利に導いている。今季は開幕から13試合で6ゴール4アシストを記録。計10ゴール関与はリーグトップの数字である。そのため、チームメイトの上田綺世と共に招集が期待されていた。

3トップの中央は大迫勇也が外れ、上田、古橋亨梧、浅野拓磨の3人が選ばれた。以前からの招集の傾向で予想できたものだが、今季の成績であれば鈴木がここに入っても何ら不思議でない。

選ばれなかった理由としてはそのプレイスタイルにあるか。鈴木は鹿島で上田と2トップを組んでいる。その際の動きはセンターフォワードというよりは、サイドや中盤と様々なポジションに顔を出すフリーマンであり、より流動的に動く選手だ。だが、森保ジャパンでは大迫や上田のように中央にどっしりと構えるタスクが与えられる。流動的な動きよりも中央で起点になれるプレイヤーを求めている。それでは鈴木の良さが消えてしまう。また、古橋や浅野、前田大然、伊東純也とFWにはスピードを求めている傾向があり、彼らと比較し速さで劣る鈴木がメンバーに漏れてしまったと予想できる。

だが、3バックを取り入れ、[3-4-3]もしくは[3-5-2]のような形になれば鈴木も選ばれる可能性はあるだろう。鹿島と同じく上田との縦関係を形成でき、上田に中央で起点を作らせることができれば鈴木は自由にポジションを取ることができる。鈴木のプレイのバリエーションの豊富さは日本でもトップクラスのものを持っており、前線でフリーマンをやらせれば彼の右に出るものはいない。

2022年に行われるカタール大会ではどうやら出番のなさそうな鈴木。それでもまだ26歳の選手であり、これからより成長できればサムライブルー入りも時間の問題だといえる。