本戦ではグループBに入る

11月に開催されるワールドカップ・カタール大会の出場権をかけたプレイオフが5日に行われた。決勝のカードはウェールズ対ウクライナとなり、1-0とウェールズが64年ぶりにW杯出場を決めている。本戦ではグループBに入ることになり、イラン、イングランド、アメリカと対戦する。

勝利をものにし、カタール行きの切符を掴んだウェールズだが、ウクライナ戦は難しいゲームであったことは間違いない。支配率は32%と低く、22本のシュートを打たれている。ウクライナはつなぎを重視したサッカーを展開しており、何度もゴールを脅かされた。

それでも勝利を掴んだのは計9セーブを記録したGKウェイン・ヘネシーの活躍が大きい。ウルブズやクリスタル・パレスとプレミアリーグのクラブでプレイし、今季はバーンリーに所属していたヘネシー。35歳と大ベテランのプレイヤーであり、経験値を生かしてビッグセーブを連発している。終盤の83分には左サイドからのクロスにFWアルテム・ドフビクが高い打点のヘディングシュートを放っているが、これもまたヘネシーが防いでおり、この日は当たっていた。

先制点を生んだガレス・ベイルの活躍も忘れてはならない。今季レアル・マドリードではリーグ戦283分とほとんどプレイしていないベイルだが、ウクライナ戦では右ウイングで先発。キープ力や推進力のあるドリブルとその存在感は圧倒的で、フリーキックからゴールを決めている。相手選手に当たって入ったウェールズとしてはラッキーな得点だが、それだけベイルのシュートが危険ということであり、相手も自分の体に当てて防ごうと考えたのだろう。

最終ラインではベン・デイビスの活躍が目立った。トッテナム所属の29歳で、今季アントニオ・コンテがチームを指揮することになると3バックの左で信頼を得ており、評価を高めた。そんなデイビスはウェールズでも3バックの左を任されており、インターセプト4回、シュートブロック2回、クリア数2回、タックル成功数1回と守備面で大きく貢献している。攻撃面では推進力のあるドリブルと前線でも失わない冷静さを持っており、ヘネシー、ベイルと共にW杯行きに大きく貢献している。

英『90min』では試合後ベイルが「人生で最高の試合」と語っている。これまでのキャリアでは221ゴールを決めているアタッカーだが、W杯の出場がカタールで初となる。グループBは他と比べると楽なグループであり、決勝トーナメント進出となるのだろうか(データは『SofaScore』より)。