キリンチャレンジカップ2022が6日に行われ、日本代表は国立競技場でブラジル代表と対戦した。試合後、DF吉田麻也（サンプドリア／イタリア）がメディア対応に応じた。

　日本代表は序盤からボールをつないで前進を試みたものの、徐々にブラジル代表に押し込まれる時間が続く。最終的にはネイマール（パリ・サンジェルマン／フランス）のPKで失点し、0－1で敗れた。スコアだけ見れば接戦のように思えるものの、吉田は「実力差は点差以上にあると、正直思っている」と警鐘を鳴らしている。

「課題と収穫と両方ある。守備の部分やプレスの剥がし方など、プラン通りにできたところもあったんですが、正直本番はこんなもんじゃない。0－1という結果に慢心することなく、もっともっと突き詰めて精度も強度も上げていかないといけないと思ってます」

　ワールドカップの本大会を知る吉田だからこそ、「これが本戦だったら0－0で終えないといけない。スコアレスでメンバーが変わったタイミングで失点して、0－1になった時に、1点を奪い取って勝ち点1をもぎ取るような試合をしないといけない」と、敢えて厳しい言葉を続ける。失点後の攻撃に転じる部分では、特に途中出場の選手の特徴をうまく発揮できるよう、チームとして工夫しなければならないと話した。

「後半に入ってきた選手たちに、もっと良い形でボールを配給して、1対1を仕掛けられる場面をチーム全体でつくらないといけない。最後に（三笘）薫が仕掛ける場面もありましたけど、そういう部分を増やせれば、後半にスペースが空いた中で自分たちの特徴を出せると思います」

　前半には最終ラインからボールを繋ぎ、スペースを見つけながら前進していく場面もあった。吉田は「今日やらないと本番では絶対できないですし、本番だと割り切ってロングボールを入れるところもあると思う。今日はトライしようということで、多くのチャレンジをした」とコメント。「相手の出方を研究して、最初のプレスを掻い潜って攻めていくことも意識した」とチーム内での狙いを明かしつつ、「良いシーンもつくれたし、逆にカウンターを受ける場面もあった」と続け、収穫と課題の双方を口に。「勇気と謙虚さのバランスは今後も大事で、そこの見定めが大事になってくると思う」と、今後に向けてチーム内で共通認識を持つ重要性を説いた。

　また、セットプレーからなかなか点が取れていないというチーム状況にも言及。吉田自身も「崩し方をいくつか持っていた方がいい。セットプレーは確実に改善しないといけない。真ん中が相当強いのはどこが相手でも同じだと思うので、デザインしたものを多く持たないといけない」と感じており、チームとして武器を増やす必要があると明かす。「攻守共に課題なのはわかっている」と話し、残された時間の中でどれだけ改善できるかがカギになりそうだ。

　この後、日本代表はトーナメント形式の『キリンカップサッカー2022』を戦う。10日にガーナ代表と対戦した後、14日にチリ代表またはチュニジア代表との試合に臨む予定だ。吉田は「ブラジル戦で見つかった課題を今後の2試合で修正するのがテーマでもある。セットプレー以外にも多くの修正点があり、今回は宿題が多い」と話し、チーム全体の改善を誓った。