強豪ブラジル代表に0-1で敗れた日本代表の試合結果は、韓国でも一般紙からスポーツ新聞、テレビ局まで、各メディアでこぞって報じられている。

「ブラジル、ネイマールのPKゴールで日本に1-0の勝利」(一般紙『ハンギョレ新聞』)
「ネイマールPK決勝ゴール…ブラジル、日本の守備を突破して1-0の辛勝」(スポーツ紙『スポーツ東亜』)
「ネイマール、またPKゴール…ブラジル、日本を1-0で制圧」(テレビ局『SBSニュース』)

 ブラジルは6月2日、韓国・ソウルで韓国代表を5-1で下したこともあって、「韓国を5-1で撃破したブラジル、日本に1-0の勝利」(一般紙『国民日報』)、「韓国は4点差だったのに…日本、ブラジル相手に踏ん張った敗北」(ネットメディア『スポーツ韓国』)と報じるメディアも多かった。

 そんななかでネットメディア『OSEN』は、「4名が変わったブラジル、日本の守備の前では韓国戦のような決定力を失跡」と題して、韓国戦と日本戦ではブラジルのメンバーに変化があったことに注目した。
 
 韓国戦では先発しなかったGKアリソン(リバプール)やヴィニシウス・ジュニオール(R・マドリー)、ルーカス・パケタ(リヨン)、ラフィーニャ(リーズ)らを取り上げつつ、「ブラジルは現時点でのベストと言える布陣でスタートした」と紹介したあとで、「ブラジルは韓国戦同様、前方から強いプレスを仕掛けた。しかし、日本の速いパスプレーの前では特段の圧迫は与えられなかったし、日本の守備もブラジルに決定的な場面を与えなかった」と分析した。

 続けて、「韓国がファン・ウィジョのゴールで得点を記録したのとは異なり、日本はブラジルを相手にゴールを決められなかった。しかし、韓国よりもブラジルの守備を脅かした。伊東純也ら右サイドの攻撃を武器に、何度もクロスでブラジルを攻め立てた」と評価した。

 さらに、「日本も韓国のように守備陣営で何度かミスを犯した。しかし、ミスが直ちに失点につながった韓国とは異なり、日本は適切なファウルでブラジルの攻撃の流れを遮断した。ネイマールに決勝ゴールを許して敗れたものの、世界最強のブラジルを相手に見事なパフォーマンスを見せてくれた」と締めくくったほどだ。
 
 スポーツ新聞の『スポーツソウル』も「韓国と日本を連続撃破のブラジル、それでも“希望と課題”を見た日本」と題した記事のなかで、「日本は負けたものの、ブラジルの強力な攻撃を組織的に防ぎ、スペイン、ドイツと戦うワールドカップ本大会前に希望と課題、両方が見えたのではないだろうか」と森保ジャパンの健闘を評価している。

 また、『聯合ニュース』は「ブラジルを苦戦させた日本の戦術」と題した記事を通じて、日韓を比較した。

「ブラジルは5ゴールを決めて終始余裕のある姿を見せた韓国戦とは異なる様相を見せた。それは“ビルドアップサッカー”に固守した韓国と、守備に重きを置いて臨んだ日本の戦術の違いが主な要因と解釈できる」としたうえで、「韓国陣営の奥深いところで攻撃の主導権を握ったブラジルは、相対的に“シンプルな攻撃”で脅威的な場面を作り出したが、日本はブラジルの強力なプレスに対抗してボールをしっかり守り抜いた。プレッシャーのせいでゴールラインまで押される姿もなかなか見せなかった」と、自国の代表を引き合いに出しながら森保ジャパンの勇敢さを評価した。
 
 このように韓国では、日本対ブラジルを通じて自国代表の問題点を再確認したような論調が目立つ。その一方で、日本がブラジルに惜敗した日、パウロ・ベント監督率いる韓国代表はホームにチリ代表を迎え、ファン・ヒチャンの先制ゴールとソン・フンミンの直接FKでの得点で2-0の勝利を飾り、ブラジルに大敗したショックを払拭した。

 チリは今後、キリンカップで日本代表と対戦する可能性があり、韓国代表は日本に敗れたパラグアイ代表と6月10日に対戦する。試合結果をもとにした両国の比較は、まだ続きそうだ。

構成●ピッチコミュニケーションズ

参考記事:『スポーツソウル』日本版
韓国と日本を連続撃破のブラジル、それでも「希望と課題」を見た日本


【PHOTO】日本0ー1ブラジル|粘り強い守備でブラジルに善戦するも…ネイマールの一発で惜敗…!