タレントが揃いすぎて指揮官も頭が痛いか
果たして代表監督フェルナンド・サントスはどう活かしてくるのか。代表チームの世界において、今世界で最も豪華な攻撃陣を抱えているのはポルトガル代表と言ってもいいだろう。
年齢を重ねてもペースが衰えないクリスティアーノ・ロナウドはもちろん、リヴァプールで得点を量産するディオゴ・ジョタ、ミランでスクデットに大きく貢献したラファエル・レオンも近いうちに世界トップを狙えるポテンシャルが備わっている。
他にもバレンシアでリーグ戦11ゴールを決めたゴンサロ・ゲデス、やや数字は落ちたが、今季ブンデスリーガで11ゴールを挙げたアンドレ・シウバ、アトレティコ・マドリードで覚醒の兆しを見せるジョアン・フェリックス、国内組では今季ポルトガル国内リーグで19ゴールを決めたブラガ所属のリカルド・オルタ、FCポルト所属のオタビオも気の利いた動きを見せてくれる。これだけ前線にタレントが揃う代表チームも珍しい。
あとは監督のサントスがどう組み合わせるかだ。FWだけでなく、攻撃的な中盤にもマンチェスター・シティのベルナルド・シウバ、マンチェスター・ユナイテッドのブルーノ・フェルナンデスがいる。彼らの攻撃力も上手く引き出さなければならない。
昨夏のEURO2020はベスト16でベルギー代表に敗れており、どこかFW陣の才能を引き出しきれていない印象があった。個々の能力は高いが、チームとして噛み合っていないところがある。
今月のネーションズリーグでは、2日のスペイン戦でアンドレ・シウバ、オタビオ、レオンの3人が前線で先発。3日後のスイス戦ではロナウド、ジョタ、オタビオが先発しており、まだサントスも最適解を探している最中といったところか。
得点力ならロナウド、ジョタ、左サイドからの仕掛けの迫力ではレオンも面白い。右のオタビオも欧州予選プレイオフのトルコ戦では先制ゴールを決めるなど、昨年の代表デビューからサントスに信頼されている。
豪華な前線、そこにベルナルド・シウバ、ブルーノ・フェルナンデス。彼らを上手く組織として機能させることができれば、ポルトガルは十分にカタール大会制覇を狙えるはず。果たして本番までに最適解は見つかるのか。
勝負強さや能力的にロナウドを外す提案は難しく、ジョタもレオンも外したくない。フェリックスも面白い。代表監督のサントスには豪華すぎて決めきれない贅沢な悩みが生まれているはずだ。