日本代表の森保一監督が、日本代表初ゴールを決めたMF久保建英(マジョルカ)に言及した。

10日、キリンカップサッカー2022でガーナと対戦した日本。ブラジル戦からメンバーを変更し、[4-2-3-1]とかつて採用していたシステムで臨んだ。

試合は前半から日本が押し込んでいくと、29分に右サイドを山根視来、久保、堂安律で崩すと、最後は山根が左足でネットを揺らして先制する。

その後ミスからジョルダン・アイェウに決められて追いつかれるも、終了間際に左サイドから三笘薫がクロス。これがそのままゴールに吸い込まれ、前半を2-1で折り返す。

後半は徐々にガーナに押し込まれる時間が続いていたが、サイド攻撃をやめなかった日本は73分に三笘の突破から最後は久保がゴールを決めて日本代表初ゴール。さらに82分には途中出場したばかりの前田大然が同じく途中出場の伊東純也のクロスに飛び込み、こちらも代表初ゴール。4-1で勝利、チュニジア代表が待つ決勝へ駒を進めた。

10代で大きな期待を背負い、日本代表に初荘主された久保。2019年6月19日のエルサルバドル代表戦でデビューを果たしており、およそ3年の月日が経っての初ゴールとなった。

その久保はこの代表活動期間に21歳に。21歳として初の試合で、待望の初ゴールを決めた。

森保監督は「彼もこの代表に生き残れるかどうかというところを自分で自分にプレッシャーをかけながら戦って、メンタル的なところは非常に出ていたと思います」と語り、「自分の個の力でなんとかしようというのはこれまで同様にアグレッシブにやりながら、チームとして戦う中で、攻守共に献身的に連携・連動を使い分けながら戦っていたのかなと。それが結果に繋がったと思います」とコメントした。

この日の久保は、トップ下で起用されたが、右サイドの堂安、左サイドの三笘と随所に顔を出してプレー。自身がボールを持ち、ドリブルで仕掛けていくシーンも多かった一方で、簡単にパスを繋いでコンビネーションでゴールに迫るプレーも見せていた。

「攻撃の部分では自分でゴールを決めるために、良い意味で捉えていますが、個の選択肢しかなくて相手に読まれる部分であったりがあったと思いますが、個で崩すのと周りのサポートを使いながらという選択肢を相手に持たせて絞らせないというのが良かったかなと思います」と、周りを使うことによって相手も翻弄されたとの見解を森保監督は示した。

また「守備ではパラグアイ戦では一対一で強度が出せなかったり、こぼれ球の反応が遅れたりもありましたが、自分の責任で局面で相手に食らい付いていく、後手を踏んでもしぶとくついていくことができていたと思います」と、守備面でもこの試合は良いパフォーマンスを出していたと評価した。

久保が初ゴールを決めた際には、スタンドに集まった多くのファンが最高のボルテージに。声出しが可能であれば、多くの声援が飛んだと思われるが、それでもこの試合で1番の盛り上がりを見せていた。

「元々も高い意識がある選手だと思いますが、これを続けていってほしいと思います。1試合だけで変わることはないと思いますし、そこはメディアの皆さんの期待に応えられるように続けてやってほしいなと思いますし、サッカーファンの方もタケの成長に期待を寄せていると思います」

「彼も大変だと思いますが、期待されるということはプロ選手としてすごく誇りだと思うので、サッカーファミリー、サポーターの皆さんをハッピーにしてもらうように成長してもらいたいと思います」

久保は試合後に「このまま一生はいらないんじゃないかと思ってました」とコメントしていたが、ついに第一歩。17試合目での1ゴールだが、この先にも得点が続くことを期待したい。