14日、日本代表はキリンカップサッカー2022でチュニジア代表と対戦。勝てばタイトル獲得となる。

カタール・ワールドカップ(W杯)まで残り5カ月となった中、日本は貴重な4連戦で世界と戦うための準備を実施。2勝1敗でここまでの3試合を戦った中、残りも1試合となった。

2週間以上にわたってチームとして活動できる貴重な期間。菅原由勢(AZ/オランダ)、守田英正(サンタ・クララ/ポルトガル)、上田綺世(鹿島アントラーズ)と3名が離脱したものの、最終予選では手が出せなかった選手の組み合わせによる変化や、バリエーションの増加など、多くのトライができている。

次の活動までは3カ月空くこともあり、最後は良い形で終えたいところだろう。

なお、20年前の2002年6月14日には、日韓W杯のグループステージの第3戦で大阪で日本とチュニジアは対戦。0-2で日本は勝利していた。

偶然とはいえ、20年の時を経て同じ土地(スタジアムは異なる)で同じ代表チームが対戦することに。互いに、試合への思いは強い。

◆トライを続けしっかりと勝利を

【日本代表プレビュー】20年前には同じ大阪で日本が勝利、6月4連戦の集大成を見せろ/vsチュニジア代表【キリンカップサッカー2022】


「選手たちには何よりも勝利を目指しながらも個の力を100%出し切ること、チームのため、仲間のために走って戦う姿をサポーターの皆さんに見ていただき、元気や勇気を試合を見ながら感じてもらえればと思います」

試合の前日会見で森保一監督が語ったが、これまでと同様に結果を求めて戦うことは変わらない。W杯で期待してもらえるだけのものを見せられるのかがポイントとなりそうだ。

ここまでの3試合はメンバーを入れ替えて戦っており、そのピッチで見せるパフォーマンスも組み合わせで異なっている。

パラグアイ代表、ガーナ代表の試合は相手のコンディションの問題、レベルの問題もあったが、4-1で快勝。ブラジル代表には0-1で惜敗したが、これまでのブラジル戦とは違うところも見せられた。

選手を入れ替えても一定のパフォーマンスを見せ、システムを試合中に変更してもパフォーマンスが落ちないというのは成長している証拠。気を緩めることはないが、自信をもってどんな相手とも戦えるマインドを持てることは大きい。

特にブラジル戦を経験したことで、普段から高いレベルでプレーしている選手たちもその差を肌で感じられた。ただ、ネガティブになっているわけではなく、ポジティブに捉えて残りの期間でいかに差を詰められるかをポイントにしているだけに、最後の1試合もそこで感じた課題を払拭するプレーを見せてもらいたい。

◆W杯出場国・チュニジア
【日本代表プレビュー】20年前には同じ大阪で日本が勝利、6月4連戦の集大成を見せろ/vsチュニジア代表【キリンカップサッカー2022】


対するチュニジアは、アフリカ・ネーションズカップの予選を戦った後に来日。10日にはチリ代表と対戦し、0-2で勝利を収めていた。

6度目のW杯出場となるチュニジア。主軸の数名は不在だが、バランスの良いメンバーを揃え、チームとしてしっかりと戦える力を持っていることを見せていた。

特にサイド攻撃が強力で、チリ戦でも両サイドから攻撃を仕掛けることに。日本としても非常に警戒しなければいけないポイントだろう。

ただ、ジャレル・カドリ監督は日本戦に向けて「1つ障害があるとすれば、チームが非常に肉体的に疲れているということだ」とコメント。アフリカから日本への長距離移動に加え、12日間で4試合という過密日程を挙げた。

その中で「現代サッカーにおいては攻撃と守備のバランスが非常に重要。その意味で常に攻撃と守備のバランスを取るということを心掛けている」とチーム作りについてコメント。「良い試合を明日は見せられれればと思う」と、日本戦にも意欲を見せた。

◆予想スタメン[4-3-3]
【日本代表プレビュー】20年前には同じ大阪で日本が勝利、6月4連戦の集大成を見せろ/vsチュニジア代表【キリンカップサッカー2022】

GK:大迫敬介
DF:長友佑都、吉田麻也、板倉滉、伊藤洋輝
MF:原口元気、田中碧、鎌田大地
FW:伊東純也、古橋亨梧、南野拓実
監督:森保一

「直近のガーナ戦からはまた大幅にメンバーを変えていきたい」と前日会見で森保監督がコメントしていたが、4連戦の最後もトライを繰り返すことになりそうだ。

ケガ人が多く出ているためにしっかりと試すことは難しいが、それでもブラジル戦のメンバーが中心となりそう。「システム的には大きな変化はない」と語るように、[4-3-3(4-1-4-1)]を採用するはずだ。

GKはここまで出番がない大迫敬介(サンフレッチェ広島)と予想する。ここまで3試合は全て違うGK。最後に大迫を試しても良いだろう。「できるだけ多くの選手を使いたい」と森保監督が語っているだけに、抜擢を期待したい。

最終ラインだが、本来であれば冨安健洋(アーセナル/イングランド)を右サイドバックで起用したかったと見られるが、「いきなり国際試合の高いインテンシティのなかで、2、3日の調整でできるかというとリスクになるので慎重にやっていきたい」と語る通り、試合起用を考えても短い時間になるはずだ。

また、前述の通り中山も離脱しているため、サイドバックの人員が足りていない状況だ。ガーナ戦は出番がなかった長友佑都(FC東京)が右サイドバックに、左サイドバックには連戦となるが伊藤洋輝(シュツットガルト/ドイツ)が入ると予想する。この4連戦で初招集ながら高いパフォーマンスを見せている伊藤は、さらにブラッシュアップした姿を見せてほしい。

センターバックには吉田麻也(サンプドリア/イタリア)と板倉滉(シャルケ/ドイツ)が入ると予想する。吉田はW杯を見据えても4試合連続でのプレーに期待。途中での交代という可能性は高い。

中盤の3枚だが、アンカーには田中碧(デュッセルドルフ/ドイツ)が入ると予想。ガーナ戦も途中からやっていたが、遠藤航(シュツットガルト/ドイツ)以外の策を考える必要はある。どの様なコントロールを見せるか気になるところだ。

インサイドハーフに関しては原口元気(ウニオン・ベルリン/ドイツ)、鎌田大地(フランクフルト/ドイツ)が入ると予想。パラグアイ代表戦で並んだ2人が攻撃面でどんな違いを見せられるのかは気になるところ。新たな3名での化学反応を見たいところだ。

3トップだが右には伊東純也(ヘンク/ベルギー)、南野拓実(リバプール/イングランド)が両サイドに入るだろう。ガーナ戦も途中から出た2人だが、先発したブラジル戦では違いを見せられず。ここでしっかりと結果を残したい。

そして1トップには古橋亨梧(セルティック/スコットランド)が入ることになるだろう。ここまで先発がない前田大然(セルティック/スコットランド)が先発する可能性も考えられたが、ガーナ戦で出番なしの古橋にチャンスが回ってくるはず。久々の代表でのゴールを決められるかに注目が集まる。

次の活動は9月。4連戦ラストのチュニジア戦は、試合は14日の18時55分キックオフとなる。