2020-21シーズンいっぱいで、古巣レアル・マドリーの監督の座を退いてからはフリーの状態が続いているジネディーヌ・ジダンが、自身の“ラストプレー”となった伝説の頭突きを振り返った。
1998年にバロンドールも受賞したジダンは、輝かしいキャリアの締め括りとして、2006年のドイツ・ワールドカップ(W杯)に出場。キャプテンとしてフランス代表を引っ張り、ついにはイタリア代表との決勝まで駒を進めたが、サッカー史に残る事件はその最終決戦で起こった。
7分にPKを得たフランスは、ジダンの鮮やかなパネンカで先制点を奪うも、19分にマルコ・マテラッツィに同点弾を奪われ、1―1で延長戦に突入。すると、迎えた110分だった。2人の間で何か揉め事があったのか、ジダンがマテラッツィに頭突きを食らわせ、退場処分となったのだ。
大黒柱を失ったレ・ブルーはその後、PK戦の末に接戦を落とし、98年の自国開催以来のW杯制覇を逃している。
英紙『Daily Mail』によれば、ジダンは今月23日に50歳の誕生日を迎えることを記念し、母国で放送された特別番組で、「全く誇れないが、自分の過去の一部だ」と問題行為について語ると、先制点の場面も回想。名GKジャンルイジ・ブッフォンを相手に、多分にリスクを伴うチップキックを選んだ理由を、こう明かしている。
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「どうやって蹴ろうか1、2秒考えたよ。目の前には私のことをよく知っているゴールキーパーがいたからね。何か考えなければならなかった。あのキックには確かにテクニックがあり、狂気はなかったと思う。まあペナルティを外す可能性はあっても、あの瞬間はそうするしかなかったんだ」
稀代のカリスマは、世界中で注目を集める自身の去就にも言及。監督業を再開させることに意欲を示し、いずれは現場に戻ることを示唆している。
「まだ欲求があるので、そのキャリアを続けたい。それは私の情熱だ。私は50歳、充実しているし、幸せだ。これが何よりも大切なことだ」
ジダンは取り沙汰されていたパリ・サンジェルマンの監督就任を断り、今冬のカタールW杯後からフランス代表で指揮を執る可能性があると報じられている。スーパーレジェンドは、次は一体どこで伝説を作るのだろうか。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部