モナコ行きが濃厚な南野
今夏での移籍の可能性が報じられていたリヴァプールの南野拓実。ウルブズやフラム、リーズ・ユナイテッドなどプレミアリーグのクラブの名前が獲得候補として多く挙がっていたが、英『BBC』によるとリーグ・アンの強豪モナコと合意に至ったという。1500万ユーロ、プラスボーナスが付くと見られており、総額1800万ユーロ(日本円にして約25億円)の移籍金が発生することになる。
モナコは昨季リーグ3位で終えたチームで、来季のEL出場権を獲得している。指揮官は長くベルギーで指導者をしていたフィリップ・クレメントで、過去にはヘンクで伊東純也とチームメイトだった時期もある監督だ。
モナコは[4-2-3-1]を採用しており、南野が得意とするトップ下がある。センターフォワードでの起用も考えられ、リヴァプールよりはプレイしやすくなるか。ただライバルが多いのはリヴァプールと同じであり、フランス代表のウィサム・ベン・イェデル、ロシア代表のアレクサンドル・ゴロヴィン、ドイツ代表のケヴィン・フォラントと実力者が2列目には多い。とくにベン・イェデルはセンターフォワード、トップ下でプレイする選手で、昨季のリーグ戦では25ゴール5アシストと素晴らしい記録を残した。
リヴァプールではリーグ戦にほとんど出ることができなかった南野だが、モナコで継続したプレイタイムを得ることで日本代表でのパフォーマンスアップにつながるか。モナコで期待したいことは一つの決まったポジションを見つけることだろう。レッドブル・ザルツブルク時代は2トップの一角が南野のポジションだったが、リヴァプール移籍後は曖昧になっている。日本代表でも適性外の左ウイングで起用されるなど南野に合ったポジションが見つかっていない。モナコでそれを見つけることができれば今後の活躍につなげることができるはずだ。
21-22シーズンのリヴァプールでは限られたプレイタイムで10ゴール1アシストの数字を残した南野。この得点力の高さはリヴァプールでも光っており、モナコもその強みを買っての獲得になるのだろう。カタールで輝くにはクラブでの継続したプレイタイムの確保は必須であり、これからの日本代表の10番に期待だ。