香港戦が初戦となる
11月に開催されるワールドカップ・カタール大会。日本代表はアジア予選を潜り抜け、見事本戦の切符を勝ち取った。
アジア最終予選やその後のテストゲームを戦った感想として守備陣のパフォーマンスはどの国に対しても安定して通用するものがあった。もちろんチュニジア戦のようにミスを連発して3失点するゲームもあったが、そういった不用意なミスがなければ失点は抑えられたはずだ。
まずまずな成績を残した守備陣に対し攻撃陣は6月のテストゲームでこれといった収穫を得ることができなかった。ストライカーの枠としては浅野拓磨、上田綺世、古橋亨梧、前田大然の4人が選ばれたが、先発でのファーストチョイスは見つかっていない。
そのため7月19日から始まるE-1選手権で3トップの中央に入る選手にはカタール大会行きのチャンスがわずかだが、あると考えていいだろう。
候補となるのはヴィッセル神戸の武藤嘉紀、柏レイソルの細谷真大、湘南ベルマーレの町野修斗だ。
日本代表での経験でいえば武藤は29試合の出場を記録しており、最も多い。昨季から神戸でプレイしており、5ゴール7アシストの数字を残した。今季の神戸はチーム全体で苦戦気味だが、その中でも5ゴールとチームへの貢献度は高い。イングランドやスペインでは思うような活躍はできなかったが、アスリート能力が高い選手であり、カウンターではスピードを、押し込む形でも動き出しや相手を背負ってのポストプレイから輝ける万能性を持つ。
U-21日本代表としてU-23アジアカップを戦った細谷はついにフル代表の舞台にやってきた。スピードを武器とするストライカーで、今季の柏では6ゴールとマテウス・サヴィオと並んでチーム得点王の活躍を見せている。ボールを受けてからシュートまでが非常にスムーズな選手で、短いプレイタイムでも数字を残すことが可能だといえる。
この3人で今季最も伸びたのは町野だ。直近は怪我での離脱もあったが、5試合で6ゴールを決めるインパクトを残し初の日本代表入りを掴んだ。ここまで8ゴールの決定力の高さも魅力の一つだが、湘南で培った献身性のある守備やサポートが少ない中でのポストプレイなどその万能性は今の代表のセンターフォワードに必須な能力である。
この中でカタール行きを掴めるとすればそれは町野かもしれない。今好調を維持しているという点もあるが、185cmからなる長身は魅力だ。6月のテストゲームで試された4人、今回の3人、そして大迫勇也からなるカタール行きの可能性がある8人のストライカーの中で最も大きく、高さというオプションを森保ジャパンに提供することができる。また22歳と若くJリーグ後半戦でさらに飛躍する可能性もある。
E-1選手権では最も注目が集まることになりそうなストライカーのポジション争い。計3試合が予定されており、誰がインパクトを残すことになるのだろうか。