1998年のFIFAワールドカップ(W杯)フランス大会出場を皮切りに、今年11月に開催されるカタールW杯で7大会連続7回目のW杯出場となるサッカー日本代表。カタールでは過去最も難しいと思われるグループリーグ(ドイツ、コスタリカ、スペインと同組のグループE)に挑むとあって、国内外問わずのメンバー選考を含めた準備が重要視されている。

一方で、W杯という舞台やそこに至るまでの道筋は、これまでも決して容易なものではなかった。ここでは、過去日本代表が挑んだW杯を振り返ってみよう。


サッカー日本代表のW杯出場6大会まとめ
1998年W杯 日本代表 MF中田英寿 写真:Getty Images

フランスW杯(1998年)

監督:岡田武史

【グループリーグ】

  • アルゼンチン
  • クロアチア
  • ジャマイカ

日本代表にとって初出場となったフランスW杯。最終予選途中での監督交代(加茂周監督解任)や、長年代表を支えた功労者でもあるキングカズこと三浦知良の本大会メンバーからの落選と、初出場に向け不穏な空気もあった。日本国民は初出場に湧いたが、本大会はグループリーグ3戦全敗と世界との差を痛感する結果に。しかし、ベスト8まで勝ち進んだアルゼンチンと、3位となったクロアチア相手に善戦できたことは、自信につながるものだったとも言える。


サッカー日本代表のW杯出場6大会まとめ
2002年W杯 日本代表 MF小野伸二 写真:Getty Images

日韓W杯(2002年)

監督:フィリップ・トルシエ

【グループリーグ】

  • ベルギー
  • ロシア
  • チュニジア

【決勝トーナメント】

  • トルコ

初のアジア開催かつ初の2ヵ国共催となった日韓W杯。自国開催の日本は予選を免除されている。グループリーグでは2勝1分けと無敗で1位突破を決め、前回フランス大会の雪辱を果たした。決勝トーナメントでは、同大会3位となるトルコに敗れてしまう。しかし、主力選手の多くが若かったこともあり、次大会に大きな期待を集める内容となった。


サッカー日本代表のW杯出場6大会まとめ
2006年W杯 日本代表 FW柳沢敦 写真:Getty Images

ドイツW杯(2006年)

監督:ジーコ

【グループリーグ】

  • オーストラリア
  • クロアチア
  • ブラジル

日本サッカー界における功労者の一人でもあるジーコを監督に迎えて挑んだドイツW杯。1999年のワールドユース準優勝を果たしたいわゆる「黄金世代」を主軸とし、チーム発足当初から高い期待が寄せられていた。AFCアジアカップで優勝(2004年)し、W杯アジア予選では11勝1敗と他を圧倒。期待を大きく膨らませて臨んだ本大会となった。しかし、結果はグループリーグ1分2敗と惨敗。史上最強との呼び声が高かっただけに、不本意な結果となってしまった。

サッカー日本代表のW杯出場6大会まとめ
2010年W杯 日本代表 FW岡崎慎司 写真:Getty Images

南アフリカW杯(2010年)

監督:岡田武史

【グループリーグ】

  • カメルーン
  • オランダ
  • デンマーク

【決勝トーナメント】

  • パラグアイ

名将イビチャ・オシム監督のもと、ドイツW杯からのチーム立て直しを図った日本代表。しかし、オシム監督急病の影響を受けて、岡田武史監督が自身2度目の代表監督を務めることとなった。アジア予選では無事突破を決めたものの、本大会前の試合では結果が振るわず監督解任論まで噴出することとなる。しかし、本大会では初戦のカメルーン戦(2010年6月14日)に勝利すると、第3戦のデンマーク戦(2010年6月24日)ではフリーキックの2得点を含む3得点を上げ、2勝1敗でグループリーグを突破。当初の期待度の低さとは裏腹に善戦を演じていた。決勝トーナメントでは、ラウンド16でパラグアイを相手にPK戦まで戦うも敗退。またもベスト16止まりとなるが、改めて自信につながる大会だったことだろう。


サッカー日本代表のW杯出場6大会まとめ
2014年W杯 日本代表 MF本田圭佑 写真:Getty Images

ブラジルW杯(2014年)

監督:アルベルト・ザッケローニ

【グループリーグ】

  • コートジボワール
  • ギリシャ
  • コロンビア

新たにイタリアの名門クラブを複数率いた経験を持つ、アルベルト・ザッケローニ監督を迎えて挑んだブラジルW杯。本田圭佑や岡崎慎司、香川真司といった多くの海外組を抱え、親善試合ではオランダ相手に引き分け、ベルギーに勝利するなど、代表への人気と期待は過去の大会以上のものとなっていた。しかし、結果は期待とは大きくかけ離れたものとなる。初戦のコートジボワール戦(2014年6月14日)を逆転負けで落とすと、第2戦のコートジボワール戦は数的優位を生かせずドロー。第3戦のコロンビア戦(2014年6月24日)は1-4と大敗を喫し1勝も挙げられずに敗退が決まった。本田や香川を筆頭に、欧州でも名門と位置付けられる選手が多いスター軍団だっただけに、選手だけではなく日本のサッカーファンにとっても受け入れ難い結果になってしまったと言える。


サッカー日本代表のW杯出場6大会まとめ
2018年W杯 日本代表 DF長友佑都 写真:Getty Images

ロシアW杯(2018年)

監督:西野朗

【グループリーグ】

  • コロンビア
  • セネガル
  • ポーランド

【決勝トーナメント】

  • ベルギー

記憶に新しい前回2018年のロシアW杯。ハビエル・アギーレ監督、ヴァヒド・ハリルホジッチ監督、西野朗監督と途中2回の監督交代を経て本大会へ臨むことになった。特にハリルホジッチ監督の解任については、本大会直前ということもあり批判の声も多数上がった。そんな状態にありながら迎えた本大会は思いのほか善戦し、嬉しい誤算が続く。初戦コロンビア戦(2018年6月19日)では、序盤に相手に退場者が出たこともあり2-1と勝利。ブラジルW杯時の雪辱を果たす。第2戦のセネガル戦(2018年6月24日)を引き分け、続くポーランド戦(2018年6月28日)は敗れるもフェアプレーポイントで決勝トーナメント進出を決めた。ラウンド16ではFIFAランク3位に位置していたベルギーを相手に2点先行するも、見惚れるほどの見事なカウンターを含む3失点を喫し、またしてもベスト8進出はならなかった。