明治安田生命J1リーグ・柏レイソルは現在ブラジル1部ゴイアスへレンタル移籍中のブラジル人FWペドロ・ハウル(25)について、完全移籍での放出を画策。ゴイアスでの活躍ぶりをうけて売却額を引き上げたようだ。8日、『terra』など複数メディアが報じている。

 ペドロ・ハウルは柏レイソルで構想外となり、今年1月末にゴイアスへレンタル移籍。今季ブラジル1部リーグでここまで25試合中22試合に先発出場し、14ゴールをマーク。今月6日のサントス戦で2ゴールを挙げたことにより、ブラジル1部リーグの得点ランキングでトップに躍り出ている。

 また先月末には、ブラジル代表のチッチ監督が「ペドロ・ハウルはゴイアスでコンスタントにプレーしているし、もう2桁ゴールをあげている。他のクラブよりもはるかに投資額の少ないゴイアスだからこそ、ゴイアスでクレイジーなゴールを決める選手は評価される。ペドロ・ハウルは“アップデートされたフレッジ”なんだ」と絶賛。ブラジル代表初選出、それにFIFAワールドカップ・カタール大会出場の可能性があることにより、同選手は現地でより一層の関心を集めている。

 そんなペドロ・ハウルについてはブラジルメディア『Esmeraldino』は今年7月上旬、名古屋グランパスが同選手獲得にむけて柏レイソルに移籍金250万ドル(約3億4000万円)のオファーを提示したと報道。しかし、選手本人は代理人を通じてゴイアス幹部に今夏残留の意思を伝えたとみられる。

 また先月にはリーグアン(フランス1部)オセールやセリエA(イタリア1部)クレモネーゼ、ブラジル1部アトレチコ・ミネイロからの関心が伝えられていた。ただ本人はブラジル国内メディアのインタビューで、欧州2クラブからのオファーを拒否したことを明かしていた。

 柏レイソルはすでに今季終了後にペドロ・ハウルを完全移籍で放出する方針を固めており、当初は移籍金を200万ドル(約2億8600万円)に設定していたとのこと。しかし同選手がブラジル1部リーグで結果を残している現状を踏まえて、300万ドル(約4億3200万円)まで引き上げたという。

 またブラジルメディア『TORCEDORES』の報道によると、ゴイアスはペドロ・ハウルの残留を望んでいるが実現の可能性は低いとのこと。同選手の代理人がブラジル国内でゴイアスよりも規模の大きなクラブへ移籍させる方向で検討しているほか、コリンチャンスやボタフォゴFRなどブラジル国内の複数クラブが関心を寄せているようだ。

 なお柏レイソルとゴイアスの取引には「ペドロ・ハウルがゴイアスでプレーしている間に他クラブからオファーが届いた場合、ゴイアスが移籍金の10%を受け取る」という条項が盛り込まれているとのこと。柏レイソルはペドロ・ハウル獲得でボタフォゴFRに移籍金1070万レアル(約2億3000万円)を支払ったと伝えられている。