このまま継続できれば“完全復活”だ

アーセナルは9日にELグループステージ初戦でチューリッヒと対戦。マルキーニョス、ファビオ・ビエイラと新加入選手が起用される控え組中心のメンバーとなったが、2-1と初戦を制した。日本代表冨安健洋はこれが今季初先発であり、フル出場も果たしている。

昨季の夏にボローニャからアーセナルに加わった冨安だが、昨季の後半戦は怪我に悩まされた。前半戦はほぼパーフェクトな働きぶりだっただけに怪我での離脱は彼の評価を下げた。今季は怪我の対策も兼ねてベン・ホワイトが右サイドバックの1番手となり、冨安は2番手だ。そのため途中出場が多かったが、チューリッヒ戦では先発フル出場とようやく以前の冨安が帰ってきた。

まだ慎重に起用する必要はあるが、冨安を1人の戦力として計算できると最終ラインはさらに選手層が厚くなる。CBはこれで正式にホワイト、ウィリアム・サリバ、ガブリエウ・マガリャンイス、ロブ・ホールディングの4人でローテーションできるようになり、毎試合高いレベルが保たれる。

日本代表にも朗報だ。1-0で勝利した2021年11月のベトナム戦以来出場がなく、代表から離れている冨安だが、本来であればCB、右SBともに1番手の選手であり、彼がいるだけで守備陣のレベルは上がる。強さ、スピード、上手さ、賢さを兼ね備えており吉田麻也に代わるディフェンスリーダーは間違いなく冨安だ。

9月にはアメリカ戦、エクアドル戦が予定されており、今の状態であれば招集されることになるか。ピッチに立てば前述したベトナム戦以来であり、約1年ぶりとなる。

試してほしい起用法はいくつかあるが、1番は板倉滉とのCBコンビだ。板倉は今季ボルシアMGで評価を上げており、独『Kicker』がその節ごとに発表するベストイレブンにすでに2度選出されている。ビルドアップの貢献度、守備対応はドイツでもトップレベルであり、板倉と冨安の若い2人が組むことになれば注目度は上がる。

今後のアーセナルと日本代表の両チームで好影響をもたらすことになりそうな冨安の復活。22-23シーズン開幕から1ヵ月ほど立つがまだ離脱しておらず、これからの評価再上昇が楽しみだ。