アーセナル所属の日本代表DF冨安健洋(23)は右サイドバックのレギュラーを奪われているが、現地識者の間ではリーグ戦で同選手を先発起用しないミケル・アルテタ監督への疑問が噴出している。その中、冨安健洋が指揮官に対して感謝の思いを語った。13日、アーセナルの専門サイト『ジャスト・アーセナル』が伝えている。

 冨安健洋は昨年8月にボローニャからアーセナルへ完全移籍。プレミアリーグ挑戦1年目の昨季から右サイドバックでレギュラーに定着していたが、今年1月以降は右ふくらはぎなど複数箇所を負傷により戦線離脱を余儀なくされていた。

 そして今季はコンディション不良により開幕から出遅れると、プレミアリーグ第2節・レスター戦以降はリーグ戦全試合で途中出場。センターバックが本職であるイングランド代表DFベン・ホワイト(24)に右サイドバックのレギュラーを奪われているが、今月8日のELグループステージ第1節・FCチューリッヒ戦で今季初めてフル出場。守備面で安定感抜群のパフォーマンスを発揮して勝利に貢献していた。

 このアーセナルの右サイドバックについては、元イングランド代表選手のガブリエル・アグボンラホール氏が「ベン・ホワイトは右サイドバックが本職ではないので、(彼の弱点が)明らかになった。ベンチにトミヤスがいるのに、(ミケル・)アルテタはなぜトミヤスを先発で起用しなかったのか。あれは間違いだったと思う」と、今月4日の第6節・マンチェスター・ユナイテッド戦におけるアルテタ監督の起用法を批判。

 またかつてリーズ・ユナイテッドなど複数クラブでプレーし、現在サッカー解説者のノエル・ウィーラン氏は「トミヤスはアーセナルに来てから一度も失敗したことがない。彼は最も堅実で安定したパフォーマンスを発揮している選手のひとりだ」と評した上で「(ミケル・)アルテタ監督であれば、強い決断をしなければならない。ホワイトがベンチに座ることでチーム全体のバランスが良くなるのならば、そうしなければならない」と語っていた。

 その中、冨安健洋本人は「ピッチでも、ピッチ外でも、監督からはかなり助けてもらっています。監督はとても賢いですし、戦術など何でも知っています。自分が何をすべきかを明確に教えてくれるので、本当に勉強になりますね」

 「監督は僕のプレーを向上させてくれるだけでなく、ピッチを離れても僕を助けてくれますし、本当に感謝しています。昨シーズン、怪我をしたときはとても落ち込んでいましたが、その時に監督がたくさん話しかけてくれたことによって、救われました」とコメント。アルテタ監督とピッチ内外問わず綿密にコミュニケーションをとっていることを明かした。

 アーセナルは先週末に予定されていたエバートン戦にくわえて、今月15日のELグループステージ第2節・PSVアイントホーフェン戦もエリザベス女王崩御にともない延期となっている。今月18日のプレミアリーグ第8節・ブレントフォード戦で冨安健洋がスタメンに抜てきされることはあるのだろうか。