サッカー日本代表は今月23日にアメリカと対戦するほか、27日にはエクアドルと激突する。FIFAワールドカップ・カタール大会の代表メンバー入りにむけた競争が激化する中、セルティック所属MF旗手怜央(24)のアピール次第ではレガネス所属MF柴崎岳(30)がW杯出場を逃す可能性があるようだ。

 柴崎岳は2018年のロシアW杯や2019年のAFCアジアカップでプレー。大舞台での実績を持つ中、カタールW杯アジア最終予選では10試合中5試合に先発出場しているが、今年1月以降はMF田中碧(23)やMF守田英正(27)らの台頭もありベンチスタートとなる機会が増加している。

 ただレガネスでは昨季につづき今季も中盤センターの主力選手として活躍。先月21日の第2節・オビエド戦でキックオフ直前に筋肉の違和感を覚えたものの大事には至らず、今季ここまでスペイン2部リーグ6試合中4試合で先発出場している。

 一方、旗手怜央は昨年末に川崎フロンターレからセルティックへ完全移籍。レンジャーズとのダービーマッチで2ゴールと結果を残して中盤センターでレギュラーをつかむと、昨季のリーグ優勝に大きく貢献。今季もここまでスコティッシュ・プレミアシップ(スコットランド1部)で6試合中3試合に先発出場しているほか、今月14日のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)第2節・シャフタール・ドネツク戦では自らのシュートから先制点を演出。CLでの好パフォーマンス発揮により現地での評価を高めている。

 ただ日本代表では今年3月29日のカタールW杯アジア最終予選・ベトナム戦でデビューしたものの、6月のキリンチャレンジカップ・キリンカップサッカー2022では招集外。今月ドイツで行われるキリンチャレンジカップ2試合ではメンバー入りしているが、当落線上とみられている。

 その中アジアサッカー連盟(AFC)は今月20日、「カタールW杯出場を狙うアジアの若手選手たち」と題した特集記事を掲載。旗手怜央やRCDマジョルカ所属の韓国代表MFイ・ガンイン(21)など5選手をW杯メンバー滑り込みの可能性がある選手として紹介している。

 そして旗手怜央について「カタールW杯アジア最終予選のベトナム戦でデビューしてから半年後、森保一監督のカタールW杯前の最終メンバーに再び選ばれた旗手怜央は、その正当性を証明するような活躍を見せている」と説明。

 「旗手怜央は今季ここまでスコティッシュ・プレミアシップで6試合のうち4試合に出場しているが、彼が出場した試合でセルティックは一度も失点していない」

 「UEFAチャンピオンズリーグのシャフタール・ドネツク戦では、(自身のシュートから)ディフレクションを利用してゴールネットを揺らした。レアル・マドリード相手には0-3で敗れたものの、そのインパクトは最も顕著だった」と欧州での活躍ぶりを綴っている。

 つづけて「サムライブルーは、ヨーロッパで活躍する中盤の選手たちを擁している。そのため、中盤のポジション争いは熾烈を極めている」とした上で「旗手怜央はアメリカやエクアドルとの親善試合で出場機会が必要だ。完璧なパフォーマンスを披露すれば、柴崎岳のような選手をドーハ行きの飛行機から追い出す可能性がある」と言及。旗手怜央にとってW杯出場を目指す上でのライバルが柴崎岳であると見解を示している。

 なお日本代表の中盤センターでは、VfBシュツットガルト所属MF遠藤航(29)、フォルトゥナ・デュッセルドルフ所属MF田中碧(23)、スポルティングCP所属MF守田英正(27)の3選手がレギュラーに定着している。カタールW杯での登録メンバー数の上限が「26」であるだけに、今回のサバイバルで誰が生き残るのか注目が集まる。