■カタールW杯の基本布陣は4-2-3-1に
カタールW杯を戦う日本代表26人が決まった。ここから先は、この26人でどうやって勝つのかを考えていくことになる。
26人の顔触れを見ると、基本布陣は4-2-3-1が予想される。
W杯優勝経験を持つドイツ、スペインとの対戦を考えたときに、相手のボール保持時は4-4-2で対応するこのシステムのほうが、4-3-3より守備に穴を作りにくい。
森保一監督が選んだメンバーも、4-2-3-1が基本となることを示唆する。
分かりやすいのはボランチだ。4-3-3を主戦術とするなら、柴崎岳ではなく旗手怜央を選んだほうが組合せは豊富になるはずだ。柴崎の経験値を評価したところはあるのだろうが、ダブルボランチに収まりやすい彼の選出は4-2-3-1の採用を示唆する。
では、ピッチに立つ11人は誰になるのか。
GKは権田修一の先発が濃厚だが、9月の2試合ではシュミット・ダニエルが存在感を大いにアピールした。エクアドル戦のPKストップはもちろん、至近距離からのシュートストップでも失点を防いでいる。足元の技術にはかねてから定評があり、高精度のキックでカウンターの足がかりも作った。
2010年の南アフリカW杯の直前に、楢﨑正剛から川島永嗣への守護神交代があった。停滞感を払拭できないチームを好転させるための抜てきで、現在のチームはそうしたショック療法を必要としてはいない。それでも、シュミットをスタメンで起用する価値はある。
■ドイツ戦の前半はもっとも経験が問われる
最終ラインは右から酒井宏樹、吉田麻也、冨安健洋、長友佑都の4人だろうか。
所属するシャルケが下位に低迷していることなどから、CB吉田の先発起用に懐疑的な声もある。左SBは長友ではなく中山雄太か伊藤洋輝を推す声もある。今回の26人の選考に大きな影響を及ぼした9月のアメリカ戦でも、左SBの先発は中山だった。ただ、ドイツとのグループステージ初戦については、ここで紹介した4人の並びがいいだろう。
国際大会の初戦には、独特な緊張感が伴うものだ。それがW杯ならなおさらである。グループステージ初戦の前半は、もっとも経験が問われると言ってもいい。
ドイツ相手に序盤に失点を食らうようなことがあったら、試合の流れそのものを持っていかれ、前半だけで複数得点を喫してしまうかもしれない。2戦目以降への流れを作るためにも、ドイツ戦の前半は経験重視で臨む。その後は試合展開を読みながら、左SBに伊藤や中山を起用してもいい。
ダブルボランチは遠藤航と守田英正だ。ここは多くの説明を必要としないだろう。1対1のバトルに激しく、攻撃に関わることができ、相手を見て臨機応変にプレーできる。このふたりは外せない。