カタール大会では若い世代の活躍がカギ

2010年のワールドカップ・南アフリカ大会でベスト4に入ったところから、ウルグアイの快進撃は始まった。翌年のコパ・アメリカを制し、2014、2018年のワールドカップでも決勝トーナメントに進出。古豪復活を印象付ける2010年代の戦いだったと言える。

その中心にいたのはDFディエゴ・ゴディン、FWルイス・スアレス、エディンソン・カバーニといった選手たちで、彼らは今も代表に名を連ねる特別な世代だ。しかし、さすがに全盛期は過ぎたとの印象が強い。

今月発表された代表メンバーではゴディンが外れており、スアレス、カバーニは入っている。2人は1987年生まれの35歳で、同じ1987年生まれではDFマルティン・カセレス、1つ年上となる1986年生まれのGKフェルナンド・ムスレラも相変わらず代表の常連だ。

問題は彼らの世代をどこまで信用するかだろう。チームの絶対的リーダーはゴディンだが、米『ESPN』はカタール大会でスタメンを任せるのは厳しいと見ている。招集はされるだろうが、精神的支柱としてベンチからチームをサポートする役割になるとの予想だ。

ポジティブなのは、若い世代が伸びてきていることだ。センターバックではバルセロナのロナルド・アラウホがゴディンの後継者候補だ。

戦力が充実しているのは中盤で、トッテナムのロドリゴ・ベンタンクール、レアル・マドリードで大きく成長するフェデリコ・バルベルデ、スポルティングCPで主力を務める21歳のマヌエル・ウガルテ、トルコのガラタサライへ向かったルーカス・トレイラも実力者だ。ここが現ウルグアイ最大のストロングポイントと言えよう。

最後に前線だが、近年はスアレスとカバーニを前線に並べることが多かった。しかしスアレスはすでに欧州を去り、カバーニも4年前とは状況が違う。2人を2トップで並べるのはリスクが大きいと同メディアは見る。リヴァプールに加入したダルウィン・ヌニェスは確かなポテンシャルがあり、カバーニの代わりにヌニェスを起用するのが妥当か。

他にも21歳のエンポリFWマルティン・サトリアーノ、同じく21歳のサッスオーロFWアグスティン・アルバレス、積極的な仕掛けが持ち味のマンチェスター・ユナイテッド所属MFファクンド・ペリストリ、アメリカのオーランドSCでプレイするファクンド・トーレスといった若手アタッカーもメンバーに名を連ねている。今年のワールドカップはまだ早いかもしれないが、4年後には主力になってほしい世代だ。

いずれにしても、過去の大会のようにゴディンやスアレスの世代に頼り切りというわけにもいかない。4大会連続でベスト16へ進むには、バルベルデやアラウホ、ヌニェスといった新しい世代が結果を出すしかない。大会中に本格的な世代交代が起きるかも注目ポイントの1つで、2020年代も南米の強豪であり続けるためにも新世代の活躍に期待だ。