現地時間9月23日、UEFAネーションズリーグのリーグA・グループ3の第5節イタリア対イングランドのビッグマッチが、ミラノのサン・シーロで行なわれた。
4節終了時点でイタリアは首位ハンガリーと勝点2差の3位、イングランドは勝点2の4位といまひとつ波に乗れない両国。グループ最下位はリーグB降格となるだけに、ともに負けられない一戦となった。
ホームのイタリアは、ロベルト・マンチーニ就任以降初めてスタートから3バックを採用。前日練習で大腿部を痛めて欠場したエースのチーロ・インモービレの代役には、ウェストハムのジャンルカ・スカマッカを起用し、ジャコモ・ラスパドーリと2トップを組ませた。
一方のイングランドは3-4-2-1の布陣で臨み、肩の故障で離脱中のMFカルビン・フィリップスの代役には19歳のジュード・ベリンガム、熾烈なポジション争いを繰り広げる右WBにはリース・ジェームズが起用し、カイル・ウォーカーは右のCBに入った。
立ち上がりから主導権を握ったのは前線から積極的なプレッシングを仕掛けたイタリアだった。開始早々の4分にはいきなりスカマッカが左サイドからのクロスにエリア内でヘッドで合わせて、イングランドゴールを脅かす。
一方、スムーズにパスが繋がらず、最前線のハリー・ケインになかなかボールが入らないイングランドは11分に最初のチャンス。ハリー・マグワイアがヘディングシュートを放つも、GKジャンルイジ・ドンナルンマにセーブされた。
その後もイタリアのペースで試合は進んだものの、両軍ほとんど見せ場がないままスコアレスで前半を終える。
後半に入ってからも左WBのフェデリコ・ディマルコを起点にイタリアが仕掛け、イングランドがカウンターからチャンスを窺う展開は変わらず。試合が徐々に膠着するなか、最初に動いたのはイタリアベンチだった。63分にFWウィルフリード・ニョントとMFトンマーゾ・ポベガを投入する。
すると68分に試合が動く。レオナルド・ボヌッチのロングパスに抜け出したラスパドーリが強烈なミドルシュートをゴール右隅に叩き込み、先制弾を奪った。
リードを許したイングランドは、71分にこの日ほとんど存在感のなかったブカヨ・サカとウォーカーに代えてジャック・グリーリッシュとルーク・ショーを投入。システムを4-2-3-1に変更したことで、ようやく攻勢に転じたが、77分にケインがエリア内から立て続けに放ったシュートは、ドンナルンマに防がれてしまう。
逆に、イタリアは85分に殊勲のラスパドーリに代わって出場したマノーロ・ガッビアディーニが最終ラインの裏に抜け出してシュート。これはGKのニック・ポープに防がれ、跳ね返りを狙ったディマルコのシュートもポストを叩く。
その後、いくつかイングランドがシュートを打つ場面はあったものの、最後まで虎の子の1点を守り切ったイタリアが危なげなく勝利を飾った。
一方イングランドにとっては11月のW杯に向けて不安が残る一戦となった。
構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部