【プレミアリーグ】ブライトン0-1トッテナム(日本時間10月9日/アメックス・スタジアム)

 ゴールよりも、アシストした韓国代表ソン・フンミンの技術に注目が集まった。トッテナムの決勝点は、イングランド代表ハリー・ケインのホットライン。ラストパスを繰り出した“アジア最高の選手”の視野、落ち着き、技術、精度の高さにファンも大いに熱狂した。

【映像】アジア最高選手、ソン・フンミンの極上アシスト

 トッテナムを勝利に導いた“デザインされた”セットプレーからの決勝点。その中心にいたのは、フィニッシャーではなく、味方から全幅の信頼を集めるソン・フンミンだ。一連のプレーはまさに“アジア最高の選手”のそれだった。

 22分、右CKを得たトッテナム。コーナー付近にいたのは、キッカーのソン・フンミンと、ウルグアイ代表・ベンタンクールだ。2人が並んだ形から、キックする前にベンタンクールが離れていき、相手が跳ね返したボールを拾ったデンマーク代表・ホイビュアが、すぐさまボックス内右へ浮き球のパス。これを受けたソン・フンミンは、トラップで相手をかわして中にカットインしながらボールをコントロールしすると、狙い澄ました低弾道かつ速いクロスを、中央で待つケインのもとへピンポイントで送り届けた。ケインはそのシュート性のパスに反応し、頭でスラしてネットを揺らす。今季7点目のゴールを奪ってみせた。

 この場面を、ABEMAの解説・松原良香氏は次のように説明する。

「完全にデザインされたCKでした。セカンドボールがこぼれてくると予測を立ててホイビュアとベンタンクールが待っている。その瞬間、絶対に相手のラインが上がるので、背後にソン・フンミンが出たことで、カットインでフィニッシュに持ち込むとゴールに向かっていける。うまかったですね。計算されていました」

 これは、ソン・フンミンのクオリティがなければ完結しないプレーだ。どこに動くべきか、相手はどこからきているかを見極め、その瞬間に決断し、イメージを正確な技術で具現化する。ソン・フンミンを中心に据えるのは、絶大な信頼を集めている証だろう。

 そして、ソン・フンミンとケインのコンビネーション。両者とも、パサーにも、フィニッシャーにもなれるからこそ見える、ゴールへの道筋があるのだろう。プレミアリーグで圧倒的な結果を残す2人のホットラインによって、トッテナムは勝利を手にした。

 一方、今季2敗目を喫したホームのブライトンだったが、三笘薫は途中出場ながら前節に続いて20分上のプレータイムを得て、ピッチで躍動。ゲームを動かす役割を担うなかで、積極的なドリブル突破やパスを通して、終盤のピッチで大きな存在感を示していた。
(ABEMA/プレミアリーグ)