FIFAワールドカップカタール2022の全64試合を無料生中継する『ABEMA(アベマ)』とテレビ朝日が共同制作する特別番組『FIFA ワールドカップ64 ~GKは面白い!日本の守護神・権田×影山優佳~』が10月9日夜24時25分から放送され、ABEMAでは現在も無料配信されている。

 今回の放送では番組MCを務める影山優佳さん(日向坂46)が、日本代表GK権田修一(清水エスパルス)を直撃。“守備推し”の影山さんが以前から希望していた“キーパー特集”が実現し、普段はなかなか伝わらないGKの魅力を深掘り。さらに家族との絆など権田のパーソナルな一面に迫る場面も。また、影山さんがフィールドプレーヤーとして、“日本の守護神”権田と1vs1にも臨む貴重なシーンも見られた。

「BLUE MESSEAGE〜日本代表GK権田修一×日向坂46・影山優佳」(ABEMAで12/31まで無料視聴が可能)

『サッカーキング』ではこの収録直後の2人を直撃。番組では収録しきれなかったサッカートークをしてもらった。

インタビュー=小松春生

【特別対談】権田修一×影山優佳 ~これであなたも“守備推し”に?~

[写真]=AbemaTV,Inc.

―――権田選手は影山さんの存在をご存じでしたか?

権田 インタビューを受けた選手やメディアの方含め「影山さんはすごい」「結構ズバッとくるよ」と言われていました。自己紹介の挨拶の「ゲーゲンプレス」もそうですし、すごくサッカーを知られているんだろうなと。収録でお話している時も、サッカーを知っているメディアの方と話す感覚で喋っていました。純粋に“サッカーが好き”というだけかもしれないですけど、僕たち側としてはすごくありがたいです。影山さんのファンの方がサッカーに触れてくれることもサッカー界にとってもすごくプラスですし。

影山 本当ですか!すごく嬉しいです。ありがとうございます。

―――実際にお話されてどうでしたか。

権田 サッカーを知っている方よりも面白いかったですね。サッカー界にいる方ではない視点もありますし、女性ならではの視点もあるし。サッカーに長く関わっていると、固定観念が多くなってしまいますけど、少し違う視点も多いので。影山さんのような方がサッカー番組をやってくれるのは、僕たちサッカーに関わる者としてはすごく嬉しいです。こうやってサッカーを広めていってほしいですね。

―――影山さんは収録いかがでしたか?

影山 ずっと楽しみにしていました。GK視点のプレー集ってなかなか見る機会が少なくて、より知っていきたいと思っていました。知識がないと思っていた中だったので、今回GKのあれこれや、日本代表戦で権田選手がどう感じていらっしゃるのかということを知れて、すごく勉強になりました。実は権田選手が発起人の『ONE1-GKチャンネル』を以前から視聴させていただいていて。

権田 すごい! その言葉を知っているのはなかなかレアです(笑)。

影山 収録でもお話しさせていただきましたが、ネガティブなこともちゃんと言葉にされていて。ONE1-GKの動画で学生さんに最終予選のサウジアラビア戦の失点で「1対1をミスした」と言われたことが印象にあって。

権田 そう! 収録中に「なんでそれを知っているんだろう」と思ったらそういうことですよね。

影山 全ての物事において客観視されていて、それを言語化できることが本当にすごいと思っています。それがチームの最後の砦であるGKの権田選手が持っていらっしゃるスペシャルな能力だと思っていて。そこは収録前の印象と同じというか、やっぱりすごい方なんだなと思いました。

【特別対談】権田修一×影山優佳 ~これであなたも“守備推し”に?~

[写真]=AbemaTV,Inc.

―――収録ではお二人のプレーの実践もありました。

影山 やっぱり怖いですね。目の前で思い切り足を振り抜いたシュートを打たれて、怖くないのかなって、GKの心配ばかりしていたんですけど、実際は権田選手のプレッシャーを体感させていただき、「どっちも怖い!」って(笑)。

権田 やっぱり1vs1のシーンで外すと、FW側のダメージが大きくて。1vs1やPKはやられて当然と思われているのが正直なところですけど、実はどっちが精神的に優位なのかを考えたら…と落ち着いて入れると、全然違います。

―――影山さんは“守備推し”でもあるんですが、権田選手が考える「ここに注目すると新しい守備の見え方ができる」ということがあれば教えてください。

権田 僕は攻撃している時の守備のポジションにすごく気を使っています。攻撃の回数やマイボールの時間が多いほど、守備の回数は減るので、相手ボールになったらすぐに回収できた方がいいんです。ゴール前で守ることが守備、相手ゴール前で攻めているのが攻撃ではなく、守備時でも相手にボールを取られた瞬間から前線の選手が最初にプレッシャーに行っているから、後ろで奪えているといったポイントがあって。影山さんはわかっている気がしますけど(笑)。そういうところが実は試合の勝敗を大きく左右しているというのは、僕が大事にしているところです。

―――テレビなどだと映像がボールのあるエリアに寄りがちですが、全体のオーガナイズを見ながら、ということですね。

権田 そうです。カウンターを受けてない時は、受けなくて済んでいるポジションが取れているので。相手がクリアしたボールをマイボールにできている時などは、テレビで見ていると何気なくボールを回収しているように見えるかもしれません。ただ、画面外の部分含めて、実はすごく気を使って普段はやっているんだよ、というのは見ると面白い気がします。

影山 何でもないようなプレー中にリプレイが流れて展開が進んでいることありますけど、そういったスルーされてしまうようなプレーは、裏を返せば、うまく処理できたというところにつながるので、そこを見たいのでスタジアムに行きたいと思うようになりました。

権田 例えばハイライトでは攻めているシーンが使われて、気づいたらまた自分たちのボールになっていたりしますが、実はその間に前線がプレッシャーをかけてマイボールにしているということですし、急にチャンスシーンが出てくるときもありますけど、しっかりビルドアップできていたり、GKからいいボールを出しているという部分が見られないことが多く、そういうところが見られると面白いですけどね。

【特別対談】権田修一×影山優佳 ~これであなたも“守備推し”に?~

[写真]=AbemaTV,Inc.

―――番組では権田選手への“10の質問”をしましたが、影山さんから11個目の質問があれば、ぜひ。

影山 (9月10日の)湘南ベルマーレ戦で、1-0でリードしていた80分くらいから怒涛の守りの時間がありましたけど、いわゆる神セーブとか、1vs1の局面でシュートをしっかりブロックしたりがあって。でも最後の最後で同点とされてしまい、どういう心境だったんでしょうか?

権田 同点とされて、リスタートしてからすぐ試合終了になりましたけど、失点時は「まだ試合は終わってない」という気持ちです。失点してみんなうなだれてしまいますが、まだ試合は終了してない。僕らの姿を見ている方がいますが、あの時は帰ってしまう人が結構いたんです。

影山 見えているんですか。

権田 僕は結構見ています。でも、残っている方もたくさんいて。その方たちに、ホームゲームでもありましたし、下を向かないで、戦うんだという姿をエスパルスとして見せないといけないので。当然やられたのは悔しいですけど、まだ試合は終わってないですし、今シーズンが終わったわけではないんです。そう考えたら、顔上げて前を向いて、ちゃんと挨拶しようと選手たちに言います。もちろん悔しいです。家に帰ったら、「グーッ」って気持ちになりますけど、そういうちょっとしたことの積み重ねが最終的に強いチームになることにつながると僕は思っています。

【特別対談】権田修一×影山優佳 ~これであなたも“守備推し”に?~

[写真]=AbemaTV,Inc.

影山 あの試合は権田選手がいなかったら、引き分けで終わっていなかったと思います。何点も…というくらいだったかもしれないと思っていて。

権田 勝てなかったので、それではダメなんですけどね。

―――もしかしたら今後も権田選手や他のGKのプレーを見た影山さんから、心境やプレーの補足が入るかもしれませんね。

権田 「実はこういうところは、こうなっていたと思います」って言ってもらえると、ありがたいですね。

影山 それをもっとしっかり言えるようになるには、とりあえず清水に行くしかないですね(笑)。

権田 何かあったらどんどん聞いてください。例えば「あの選手のあのプレーはどういうことですか?」でもなんでも聞いてもらえれば。

影山 ありがとうございます!