ドイツでの評価は下がってしまっている
昨季は板倉滉が所属しドイツ1部昇格を成し遂げたシャルケ。見事返り咲きを果たしたわけだが、新シーズンは苦戦しており、9試合1勝3分5敗勝ち点6で16位、降格圏内にいる。
とくに気になるのは守備陣で、9試合で21失点と多すぎる。リーグでは最下位ボーフム(23失点)に次ぐ成績だ。9試合で10ゴールしか奪えない攻撃陣も改善が必要だが、守備もテコ入れが必須だ。
そんなシャルケは8日にリーグ戦でレヴァークーゼンと対戦。0-4と大敗を喫してしまい、独『Bild』によると、シャルケは有識者10名ほどを集めた緊急会議を行ったようだ。そこで議題に挙がった話が5バックへの変更と、日本代表吉田麻也のスピード不足だ。
シャルケは昨季まで板倉を守備陣の要として起用していたが、マンチェスター・シティから買い取ることができず、その代役として吉田を獲得した。吉田はリーグ戦全9試合に出場しており、現体制で信頼されている存在だといえるが、確かに日本代表戦でもスピード不足は目立つ。34歳という年齢もあって仕方ないといえるが、弱点となっているのであれば改善する必要がある。5バックのCBとしてプレイすればある程度だが、スピード不足を隠すことはできる。
このスピード不足は日本代表での序列にも影響するのか。サムライブルーでもシャルケと同様に不動の地位を築いているが、9月のアメリカ戦では自陣でのミスが指摘されており、冨安健洋ほど評価は高くない。経験値でいえばトップクラスのものを持っているが、スピード不足を補うことは難しく、森保ジャパンでは吉田不在でも対応できる板倉や伊藤洋輝、冨安と若く優秀なタレントが揃っている。
それこそ板倉がワールドカップ・カタール大会に間に合えば冨安と板倉がセンターバックとしてコンビを組むことも考えられる。守備力、ビルドアップでの貢献度は共にトップクラスのものを持っており、スピード不足も目立たない。
シャルケ移籍で試合感のなさを露呈することはなくなったが、スピード不足はどうしようもない。日本代表でもシャルケと同じ5バックにする案もなくはないが、本戦まで時間はなく、おそらく[4-2-3-1]が基本システムとなる。
全てが吉田のせいではないが、今季のシャルケでの失点数の多さは印象が悪い。冨安はアーセナルで素晴らしいパフォーマンスを披露しており、板倉が復帰となれば吉田が先発落ちする可能性は十分に考えられる。