【プレミアリーグ】マンチェスター・シティ3-1ブライトン(日本時間10月22日/エティハド・スタジアム)

  VARの登場でサッカーは“正しさ”を手にすることができたかもしれない。しかし当該のプレーから82秒も遅れてホイッスルが吹かれるのは、サッカーの面白さを損なうのではないだろうか。あまりにも遅い判定について、選手や視聴者が苛立つ場面があった。

【映像】接触から82秒後…遅すぎるVARに選手もイライラ

 引き金となったのは、ホームであるマンチェスター・シティが1点リードで迎えた39分。左サイドでボールを持ったポルトガル代表MFベルナルド・シウヴァが、同国代表DFカンセロとのパス交換でボックス内に侵入する。浮き球のリターンパスを受けようとした際に、相手選手と接触して倒れた。

 しかし主審のホイッスルは吹かれず。ファウルをアピールするベルナルド・シウヴァは「なんでだよ!?」とばかりに頭を抱えて倒れ込む。同じく判定に納得がいかないスタンドのサポーターたちも、一斉にブーイングを浴びせるなどスタジアムが異様な雰囲気に包まれた。

 リプレイ映像で確認してみると、ベルナルド・シウヴァは後方から追いかけるドイツ人MFグロスに押され、ボールを奪いにきた元イングランド代表DFダンクに接触。この際、ダンクに蹴られたように見える一方で、自ら足を出して引っ掛かりにいっているようにも見る微妙なプレーだった。

 解説を務めた林陵平氏は「引っ掛かっているようには見えますね」とコメント。ABEMAの視聴者も「さすがにファールw」「完全にPKで草」とファウルを主張するコメントや「かかりにいってる」「ダイブじゃね?」などシミュレーションを指摘する声があがるなど意見が割れた。

 そして問題の場面は、接触から82秒後の40分。ブライトンがバックラインでパスを繋いでいると、突然レフェリーの笛が吹かれる。先ほどのプレーに対してオンフィールド・レビューとなった。

 これには林氏も「だいぶ遅かったですね」と不満気味。現地映像では、「今かよ!?」と両手を大きく広げるジェスチャーで不満をあらわにするベルナルド・シウヴァの様子が映し出された。

 VAR中の映像を見て林氏は「ベルナルド・シウヴァも、相手が足を出してきているのがわかって、足を残している感じ。それをどう取るか。間違いなくぶつかっている」と解説。すると主審は、ダンクのプレーをファウルを判定し、マンチェスター・CにはPKが与えられた。

 スタジアムのブライトンサポーターとともに納得がいかないのはABEMAの視聴者たち。「もらいにいってる」「これはあり得ない」「自分で足出してる」といった言葉が並んだ。

 結局このPKをノルウェー代表FWハーランドが決めて、前半に2点をリードしたマンチェスター・C。後半は1点を奪われたが、ベルギー代表MFデ・ブライネのゴラッソもあり、ホームで白星を飾った。
(ABEMA/プレミアリーグ)